ぱぱ、は小学1年生になりました!

『かんじ』とか、『さんすう』とかいっぱい覚えたんだよ?

八戒が教えてくれたからね!

もちろんぱぱもだけど、ぱぱは『すぱるたきょういく』だから怖いのー。

ごめんね、ぱぱ!


















「、入学おめでとうございますv」

「うん!ね、いっぱいお勉強してー、ぱぱにしゅくだいやってもらうのー!」

「、宿題も勉強の内だろうが…」

「いやーんちゃんってばランドセルが似合ってて可愛いネ!」

「、写真撮ろうぜ!ホラ、そこの看板の前でさ!」



入学した本人以上にはしゃぐ保護者達は、行きかう人々の視線なんぞもろともせずに校門の前で騒いでいた。

記念に、と言ってデジタルカメラを悟浄に渡し撮影を満喫する。



「なーんで俺がカメラなワケ…?」

「と一緒に写真に写るなんぞおこがましいマネさせるかよ」

「酷くね?流石に酷くネ?」

「そろそろ入学式が始まりますね。、僕達は後ろのほうで見守っていますから、頑張ってくださいね」

「うん!またね、みんな!」








春。

三蔵の不安を他所に、は晴れて小学1年生になった。

保育園でさえ入れるのに躊躇した保護者だが、ランドセル背負って元気に登校する我が子を見て嬉しくなるのである。

もうこんな歳になったのだと、寂しいが成長したのだ。そう考えると心温まるのが不思議でならない。

これが親心と言うものならば・・・喜んで受け入れよう。三蔵は意気揚々と歩くを見て、自然と口元が緩んだ。



「も大きくなりましたね・・・あ、が来ましたよ!」

「うわー結構人数いるなぁ」

「イジメられなきゃ良いけどナ…」

「親が親ですから、大丈夫だと思いますよ」

「どういう意味だ」



軽快な音楽と共に入場してくるは若干緊張気味で、普段見れない表情がまた可愛い。

流石に親ばかすぎるか、と苦笑する三蔵はに釘付けである。



「わぁ、手振ってくれたぜ!ー!可愛いぜー!!」

「ホラ悟空、が恥をかくんですよ?座って座って」

「ただでさえ目立つんだからよ?俺たちは」

「そうだな。紅いゴキブリなんぞ滅多にお目にかかれんから珍しがってるんだろうよ」

「てんめっこの糞親ばか!!」

「悟浄。体育館裏に呼び出しますよ?」

「スンマセン」



既に大注目を浴びているの保護者達。は緊張して気付いてないのでよしとしよう。

そんなこんなで色々プログラムも終り、入学式も無事に終了。

今日は入学式だけなので帰るのが早く、保護者たちは外で待つことにした。








「みんな入学おめでとう。これからは毎日この学園に通い、みんなと仲良く暮らしてもらうぞ」

「はーい!」

「では今日はコレで終りだが、明日からよろしくな」



教室で簡単な挨拶を交わし、担任は生徒たちを見渡した。元気溢れる教室内はこれからの学園生活が楽しみになってくる。

一人一人の生徒の顔を確認しつつ、一際目立つ少女に目がいった。

緊張しているのかカッチンコッチンの少女は名を。確か入学式で騒いで注意された保護者の娘だったか。

アホな保護者とは違って真面目そうな子供だ。そんな第一印象であった。



「じゃあ帰りの挨拶は…玄奘さん。元気な声で頼むぞ」

「ふぇ…?あ、は、はい!」


担任に指名されて慌てたは椅子を倒して立った。お転婆な所も可愛らしい。

しかし。は『挨拶』の意味がわからなかった。初めての事なのでおろおろとするばかりである。

それを見かねて微笑みつつ教えてあげると、は想像以上に元気に挨拶してくれた。



「きりーつ、れい!さようならぁ!」

「はい、さようなら。元気イッパイで偉いぞ、さん」

「えへへ〜ありがとうございまぁす!」

「では、みんな。気をつけて帰るんだぞ」

「はーい!」



どうやら初日は大成功を収めたようでなによりである。






「ぱぱー!ね、帰りの挨拶したの!ちゃんとできて偉いって先生に褒められたのー!」

「そうか。そりゃあよかったな」

「うん!明日から楽しみなの!!」

「じゃあちゃんと朝起きねぇとな」

「起きる事については人の事言えませんよ、三蔵」

「三蔵朝弱いもんなー」

「ちゃんの方がしっかりしてるから大丈夫だってヨv」

「ぱぱ起こすの大変ー」


「貴様ら・・・」



三蔵達が待つ昇降口に一目散に駆け寄ってきたは嬉しそうに教室で起こった出来事を早々に話し始めた。

それに相槌を打つ三蔵。一件興味なさそうだが、これが三蔵なのである。

茶々を入れてくる3人と便乗するに憤りを覚えながらも帰路に着く。


八戒がノリノリでセットした髪と、いつもよりおめかしした服装がとても似合う。

それに初日から担任に褒められたと言う事実に、これからの生活が期待できそうだ。

自慢できる我が子。愛しい我が子と手を繋ぐ保護者三蔵は、最初に抱いた不安などどこかに吹っ飛んでいた。



「お友達100人つくるんだー!」

「ならできると思うぜ!」

「他に野郎共が黙ってねぇだろうよ?な、三蔵サマv」

「は可愛いですからねぇ。さぞモテモテでしょうねv」

「許さん。断じて許さん」



父の胸に、違う不安が沸き起こってきたとか、なんとか。


















汝、よく聞け


(好きな野郎が出来たとか言ったら・・・泣くぞ)







ATOGAKI
番外、小学校入学篇。ちょっと書きたくなったので、書いてみました。笑
授業参観篇とか書きたいからその伏線みたいな・・・『伏線』の使い方間違ってるとか聞こえませんよ!!←

花のセリフに漢字が増えたと言う若干の成長振りがわかっていただけたと思い・・・たい!笑
やはり成長を見守る親として、寂しいキモチ半分、嬉しさ半分だとおもうんですよね。でも寂しい。管理人は人の親になった事が無いのでよくわからないのですが。
頑張って三蔵ぱぱを書いていきたいと思います!なのでよろしくお願い致します!(何をだw)

え?担任・・・?さて、誰でしょうか。一応決まってますがまぁ追々って事で。笑