8月最初の日

炎夏の候。とうとう夏休みも1ヵ月をきりました。

お泊り合コンは2日目を向かえ、海水浴に来ている親子ずれ、カップルなどなどに混じり思う存分遊んでいます。

約3名の野郎と幸子が二日酔いでブルー気味ですが知ったこっちゃありませーん。自業自得さ!

私はと言うと泳げないし、危険なので砂浜で大人しくお城作りです。えりと一緒に作って私の身長を既に越えています。

うん。我ながらに上出来さね!



「オイオイ…アレ、ちゃんが作ったのかよ?」

「すっげー…」

「これはむしろ芸術ですね」

「…馬鹿娘にも特技はあったんだな…なんの役に立つかはしらんが」



どうやら私達の作った砂のお城は注目を浴び、写真を撮っている人たちの中心にあるようです。

ジュース買いに席を外した途端にこれですか…えりが人混みに押しつぶされそうな勢いです。助けなきゃ!


「…凄いね…」

「はっはっは。まだまだ大きいの作れるよ?時間掛けたらもっと凝れるし…」

「またの機会でお願いします。でも見たい気がする」

「まだまだ夏は始まったばかりさ!それに夏は何度でもやってくる!」


でも来年は受験か…1日くらい遊んだって良いよね。気分転換だと思えばさ!

砂のお城を作るのは楽しいし面白いし、好きだ。これはおじいちゃんから受け継いだもの。

子供染みたおじいちゃんは、こういうのを作ったり遊んだりする時が当時子供だった私には輝いて見えた。

極度のおじいちゃんっ子でした!でもそのおじいちゃんはもう居ないけどね。


「よし!、泳ごうよ!」

「無理無理無理!泳げないよ私!」

「浮き輪はとっても優れていて大きな波が来ない限りとても安全でかなづちには必要不可欠なんだとばっちゃが言ってた!」

「私はじっちゃが言ってた!」


どっかで聞いた台詞(+フル)を言い合いながら、私は沖に出ないならと言う条件で海に入ることにした。

私って結構流されやすいのかな!

こうして、水泳が得意のえりと5メートルしか泳げないからペンギンが書いてある浮き輪を持った私のコンビは海へと洒落込んだ。


























小波がゆっくりと引いたり押したりしている。その波に浮き輪をつけて飛び込んだ私は調子に乗った。





























時はさかのぼり、が旅立った後の夜。

三蔵は自室で空を見上げていた。都会の星は僅かしか見えない。
しかし月は相も変わらず綺麗に見えて室内をほのかに照らす。
煙草の煙も月明かりを受け幻想的に揺らめいた。

想うのは。


(……………ムカツク)


車内であんな告白まがいの事をしなければこんな思いに囚われずに済んだのだろうか。
否、きっと自分は結ばれようが無かろうが同じ感情は抱いていただろう。


(本当に、娘を心配する親父か俺は)


夜だからだろうか。月の光が狂わせる…?



〜♪〜♪



「メール…アイツからだ」



突然、ベットの上に放り投げてあった携帯からメールを知らせる音が鳴り響いた。
それに少し驚きながらも手を伸ばし携帯を開く。

from:馬鹿娘
件名:絶景かな
本文:ホテルのテラスから。先生にもこの感動をおすそ分け!


「何が…『おすそ分け』だ」


出来る事なら、生でみたい。


「貴様の携帯は画質が悪い」

『ちょ、第一声にこれですか!酷いですね!!』

「うるせぇ。で?…」


無意識のうちに電話を掛けたらしい。だから本音を隠して、でも織り交ぜて。
お節介な奴等が言っていた様に変な男は居なかったかとか、色々聞き出したい衝動に駆られたが結局いえなくて。
の反応が面白くて思わず、笑った。それを見抜かれていたとは三蔵一生の不覚らしい。


『先、生…?』


戸惑いがちに呼ぶに愛しさがこみ上げた。前にも同じ事があったな、なんて頭の隅で思い出しながらちゃんと前みたく呼ばせたかった。
しかし結局それは三蔵自身の発言で聞けず仕舞いになったのだが。


「………」



それもまた、面白い。








そして翌日。

三蔵は終業式の放課後、が帰った後に八戒に呼び出されて使われて居ない会議室で行われた話し合いの計画を実行する為学園へと向かった。
別に通勤日でもないのに何故学園かと言いますと、ただ集まりやすいからとの事。

そして計画の内容とは。



「では、僕達も行きますかv」

「わー海だ海だー!うめぇもんたらふく食えるかな!?」

「海といえば…ビキニのねぇちゃん!」

「海ですねーv僕、久し振りに泳ぎたくなっちゃいますよv」

「貴様等…ガキか」


学園に着いた三蔵はいつものように職員室へと向かった。そこに待ち受けていたのは既に準備万端のいつもの面子。
待っていましたと言わんばかりに待ち構えていた3人は早々に荷物を持つと、三蔵が通ったばかりの廊下を引き返し始めたのである。
計画と言うのは。そう、それはたちの合同コンパをぶち壊そう!との事。
流石にぶち壊すのはよくないと三蔵が自ら提案したお陰で、よからぬ笑みを携えた3人は渋々諦めたのだが。
気を取り直し、名づけて『たちの合同コンパを、見守ろう!』…らしい。そのままだと、突っ込みは受け付けません!
「んなワケねぇだろ」「えー!いーじゃんかぁー」「我ながらにいいセンスしてるワ俺・サ・マv」「僕の計画は完璧すぎますねv」
呆れて物が言えないとはこの事か。珍しく、今回の唯一の常識人は三蔵だけらしい。先が思いやられる。


「そういうなっての。三蔵サマはアレだろ?やっとくっついたちゃんの水着姿を拝み、グヘァ!」

「貴様と一緒にするなエロガッパ」

「なーなー三蔵!焼きそばをどっちが多く食えるか競争しようぜ!」

「1人でやってろ馬鹿猿」

「おや?三蔵、荷物はそれだけですか?」

「あぁ、十分だ。直ぐに帰るからな」

「まさかちゃんを掻っ攫う気じゃ…」


「なんの事だ?」


「アレって、マジ!?」
「邪魔をするのは駄目だって言ったのアイツじゃねぇかよ!」
「でもあの人、掻っ攫う気満々ですよ?」


「早くしねぇと置いてくぞ馬鹿ども」


「「うへーい」」「僕はその中に入ってませんよね。モチロン」


そんな感じで、学園を後にした4人。八戒と悟浄はなにやら買出しがあるとかなんとか。
そういうことで、車は2台。三蔵の車に悟空が一緒に乗り、八戒の車に悟浄が一緒に乗ると言う配置だ。
そう遠くは無いと思われる場所なので「なんでコイツと…」と言う問題児を宥めかせ、今に至る。


「なー三蔵!、今頃何してっかなー」

「知るか」

「美味いもんイッパイ食ってんだろうなぁーいいなぁー」

「貴様じゃあるまいしそれはねぇだろ。それにアイツは少食だ」

「そうなのか!?ってことは大食い競争は無理なんだな…」

「大食いを頭から離せ」


こんな会話が交わされつつ、三蔵達は現地に着いた。海が綺麗な、砂浜だった。
なんで猿なんかと…と悪態つきながらも三蔵は後から来る2人を待つ。
その間に悟空が海の家へと駆け出しそうな勢いだったのだがそれを止めたり大変そうであった。

そして数十分後、やっと八戒と悟浄も現地に着いた。
待つのが嫌いな三蔵はモチロン不機嫌で、悟空は早く行こうぜーと浮かれている。
その対極な2人を見て八戒は嘆息した。



「いくら俺の髪の毛が目立つからって水泳キャップはやめようぜ?な?タオル巻くからよぉ!!」

「(折角ハ●ズで買ってきたんですけど)仕方ないですね…それで手を打ちましょう」

「いや、なんで上から?」

「三蔵は金髪ですから問題ないでしょう。そこらの若者は金髪だらけですからね」

「俺を周りと一緒にするな。これは地毛だ」

「なー達何処かなぁ」

「ふふふ…三蔵が愛のパワーで直ぐ見つけますよ」

「「んな馬鹿な…」」


「アレだな」


「「んな馬鹿な!!」」

「ホラ、僕の言ったとおりでしょう?」


やってまいりました、夏真っ盛りの海です。無駄にイケメン男4人組達は密やかに行動している筈ですが見てくれがあぁも華やかですからね。
いやでも目立っています。タオルを頭にまいている者とか居るしみんな揃ってサングラス着用だ。なんと言うか…不審者?(殺すぞ)
そしてその4人に負けず劣らず注目されているオブジェ…?も発見。
とても大きい砂のお城だった。しかもどっかのコンテストに出したら大賞取れるのではないかと思う位完璧な、砂のお城。
まるで砂ではなく、そして本当のお城10分の1の大きさの模型だ。誰だ、あんなの作った奴は。
だんだんと人が集まりだして、その隙間から見えたのは。下のほうを舗装してえりと共に作業していた。
それを三蔵が見つけ、冒頭の会話が入るのだ。
ジュースを買いに4人の方へ向かってきたから慌てて隠れたから見つからなかったのがせめてもの救いである。

「僕もちょっと写真撮りに行って来ます」
「俺の携帯に送ってちょ」
「俺も俺も!」
「…普通のカメラでも撮って来い。コンテストに出してやる」
「それは黒野さんが撮ってるみたいですよ?と一緒に記念撮影してます」

「買収…するか」

「三蔵サマー?」
「それはいい案ですねv」
「アレ波で流されちゃうんだろ?もったいねー」

なにやら無粋な会話が聞こえてくるが放っておこう。
それより。浮き輪を持ったがえりに手を引かれ海に洒落込む姿が視界の端に見て取れた。
まさか。

「アイツ…入る気か?」

「ナニ?ちゃん泳げねぇの?」
「5メートルが限度だとよ」
「それは危険なのでは…」
「でもさ、浮き輪持ってんだから大丈夫だろ?」

不安を他所には小波に煽られつつ、沖のほうへと2人で進んでいった。
いやな予感。のことだから調子に乗っているに違いない。
どんどん沖のほうへ話しながら泳いでいく2人。その目の前には。


小波だった海が、急に大波に変わった。



「あんの馬鹿っ!」


――『大きな波が来ない限りとても安全で…』


そんなの分っている。
駆け出した三蔵は人混みの合間を縫って海へと飛び込んだ。


そしてが、浮き輪を残して消えた。




「!ゴホッ…うっ」

水泳が得意のえりはなんとか水面から顔を出すがが見当たらない。
ひっくり返った浮き輪はどんどん沖に流される。何処だ。何処にいった?

足が届かない程の深さで、泳げない。えりは必死に辺りを見渡すが、何処にも、居ない。
その時、遠くのほうで聞きなれた低音がの名を叫ぶのが聞こえた。






(苦しい…助け、て…)




三蔵…!







「!」







は力強い腕に引っ張られ、海中から引き上げられた。
何がなんだかわからない。意識も遠のきそうになる。
そして聞こえた、聞きなれた怒声。


「ゴホッ…」

「海に入るなと言っただろうがっ!!」

「言ってない…し、ゲホっ」


戯言を言えるくらいに大丈夫らしい。しかしそれ所ではない。

「うるせぇ!この馬鹿娘ぇ!!」

三蔵は流されないようにを抱きかかえ浅瀬へと泳ぐ。

これは溺れたと言うのだろうか。だったらとっても恥ずかしいことこの上ない。
しかも、何で、三蔵が…?

水中で抱きかかえられて居るは、もう思考回路がショート寸前だ。

「死ぬ…」

そして大袈裟な言葉を残しては意識を失った。
それを聞き取った三蔵はちょっと、気が抜けたのであった。















「ごめんなさいっ…!私が無理矢理海に入ろうって、誘ったばっかりに」

「悪いのはコイツだ。どうせ良い思い出になるだろうよ」

「それにしても…ちゃんってナイスな体してんのなv」

「悟浄。灼熱の砂の中に埋まりたいですか?」

「大丈夫かよ!?」


不機嫌最高潮でを抱きかかえ浅瀬から上がってきた三蔵は、えりに案内され幸子達が二日酔いで伸びている所へ運んだ。
丁度よくパラソルもあることだし日陰に横たえらせる。
一体何事かと飛び起きた幸子は全ての疑問を振り払ってに駆け寄った。

「っ!どうしたの!?…うっぷ…」

まだ二日酔いが残っている幸子はゲッソリ気味だがタオルをにかけてやる。
友達のピンチだと言うのは分ったらしい。ギャル真っ盛りの幸子だがとても情に熱く、偏見だが見かけによらずいい子だった。

「大丈夫だ。気を失っているだけだからな」

内心大慌ての三蔵は平常心を装いつつの様子を確かめた。
息は普通だ。海の中で海水を吐き出したから体内には残っていないだろう。
全く、人騒がせな女だ。と、三蔵は悪態をつき嘆息した。


「ってかー先生なんでこんな所にいるんですかー?」

幸子はの様子が大丈夫だと確認すると、触れてはならぬ…否、疑問に思ったことを口にした。
4人の教師はギクリと肩を竦める。口が滑っても言えない後ろめたさがあるからだ。
そんな時には誤魔化すのが得意の八戒の役目である。

「僕達も夏休みですからね。ちょっと海水浴に来たんですよv」

「そそ。そしたら偶然にもちゃん達見つけてさー?」

「すっげー砂の城が見えて吃驚したぜっ!」

冷や汗をたらしながらぎこちない笑顔の3人だが、幸子たちは素直に信じた。扱いやすいなんて思ってないからね。


(あの時、止めていたら)

大事にはならなかったが、三蔵はこれ程になく後悔した。
もしもあの時。見つけていなかったら?ぐるぐると回る最悪な光景。
三蔵は思考を振り払うかのように頭を振った。なに縁起でもないことを考えているんだ。

兎に角。助けられて、よかった。


「う・・・」


少し経った頃、は意識を取り戻した。見守っていたみんなはよかったと、歓喜の声上げる。

「!よかった〜マジで目を覚まさなかったら如何しようかと思ってたんだよー?」

「ごめんね…」

胸を撫で下ろす幸子と薄っすらと涙を浮かべたえりがに詰め寄る。

「あー。溺れたの何度目だろ」

自分を見下ろす数人を見回して、はボソリと呟いた。
なんともまぁ呑気なものである。

「どんくせぇな」

「あれー?先生なんでココに居るんですか」

そして1番目立つ金髪を見て、目が点だ。助けられたことを覚えて居ないのだろうか。
八戒が軽く説明しては納得したようだが脳内で昨日の電話での会話をフラッシュバック。
ついでに助けられた時も。

「こういう事だったんですね…」

まさか一緒に海を見れるなんて…などと悠長なことを考えつつ、は不機嫌そうな担任を見上げた。


「心配させんな馬鹿娘」



(不機嫌なんかじゃない…心配、してくれたんだ…)



は、なんでココに居るのとか、どうでもよかった。ただ、助けてくれて心配してくれた事が何より嬉しかったから。










そして一旦ホテルに戻ってきた一行。今度は+4人の教師付だ。保護者同伴の合コンなんて聞いたことが無い!
合コンの相手方はワケがわからないと言った様子でなんとなく居心地が悪い。
しかも女子達はみんな教師の所に行っている。あぁ、哀れ。

「ってかよ…あの子ら高校生かよ?」
「どうりでぴちぴちだと思ったー!」
「もう年齢なんて関係ねぇ!俺はちゃんをだな…」

ヒソヒソと話合う3人は傍から見ても不審者なのだが誰も咎める人は居ない。これまた哀れ。否、とても気の毒だ。


「先生マジカッコイイんだけどー!」
「お?幸子ちゃん見る目がいいんでない?」
「悟浄…教育的指導です」
「ココのホテルって美味いもんでるか!?」

ホテルのカフェテラスで騒ぐお馬鹿集団は各自思い思いに会話を展開させる。
学園組みは話に盛り上がり、その横では野郎3人。これだけを見れば宿泊客の営みだ。
が、その横のテーブルはなんか、不穏な空気。
意識がハッキリして引き攣った笑みのと、何故かまた不機嫌絶好調の三蔵である。
騒がしい一団とかけ離れた雰囲気をかもし出すテーブルは氷点下。
あえて。あえて何も突っ込まないお馬鹿集団と野郎3人は、自分に被害が及ばない様にスルーする事にしたのである。

「…」

「…」

沈黙が支配する。正直近寄りたく無いのが本音だ。
はこのままではイケナイと、思い切って口を開くことにした。


「あのー先生…?」

「……貴様は」

「うへぁはい!」

「奇声を上げるな」

「はい…」

「ったく…本当に目が離せない程の馬鹿娘だな」

「仰るとおりでございます…」

「海禁止だ」

「それはちょっと大袈裟なのでは…」

「あぁ?」

「すみませんでしたぁ!」

「わかればいい。しかし、今度またこのような事があったら次は無いと思え」

「重々承知でございます…」

「海以外もだぞ」

「ですよねー!」

「で」

「で?」

「年を偽って参加したんだってな?」

「(ギックー!)いや、それはですね、私も当日までは知らなかったんで…」

「なんで連絡してこない?それに電話した時は何も言ってなかったじゃねぇか」

「それは…そのぉ…いいづらかったと言いますか…電話掛かってきて浮かれてたと言いますか…」

「・・・・・・」

「本当にごめんなさいこれからはちゃんと絶対マジで気をつけます」

「次ぎは」

「無い…んですよね」

「分ってるじゃねぇか」

「(散々だ…)あ、そういえば私の水着姿どうでした?一生懸命選んだんですよ先生の好みのワンピース!」

「あぁ。いいセンスしてるじゃねぇか…って何言わすんだ貴様!」

「そっか…先生の好みは、」

「調子に乗るな馬鹿娘」

「もー照れなくてもいいじゃないですかーv」

「引っ叩くぞ」

「叩けるものなら叩いてみてくださいよーだっ!ココは公衆の面前…」


スパーン!!


「その手が…あった、か…」

「これに懲りたら大人しくしていろ」

「はひ…」


こんな感じで不安な空気はかき消された。


「今ものすごい…あの恐怖の音が…!」
「幸子。あたし何も聞こえないよ」

「三蔵のハリセンは生徒のトラウマなんですね」
「あれいてぇもんな…」
「ってか生徒にハリセンって…」
「三蔵なら許されるんじゃないですか?」
「PTAに訴える生徒が出てくるって」
「それさえもさせない空気をあの三蔵サマは持ってる。絶対に」

「あの人、先公なんじゃねぇのかよ!?」
「ツッコんだら俺たちにも降りかかってきそうだぜ」
「よし。俺たちは何も、なんにも見てない!」

各々背後で小気味よい音を聞きながら、そ知らぬふりをするしか手立てはなかった。
なんだろ…とってもが哀れに思えてきた。でも気にしたら絶対己に矛先が向けられるような気がしてただただスルーするのだ。
これはもう薄情とかの問題ではない。最善の余地と言うものなのである。あぁ、無念。





「そうそう、昨日告られましたよ!」

たちがお馬鹿集団に戻ってきた時、唐突にえりが。地雷を踏んだ。
一気に凍りついた。と、教師4人。それと当事者の野郎1人。
あわわわ、とはうろたえ、横に居る三蔵を見た。彼女は逃げる準備万端である。

「振られちったケドなぁ」

振られた事実に触れられ凍り付いていた当事者の野郎1人は恥ずかしげに頭を掻いた。
それを知らなかった仲間は驚いた様に頭を掻く男に視線を向ける。
コイツ振られた事ねぇよな…と言うのが顔に書いてあった。

そこにまたもや不機嫌絶好調!な金髪が。


「は誰にもやらん」


紫暗の瞳が当事者を睨みつけた。


「え…?あ、あんた、ちゃんのなによ?」


鋭い眼光を目の辺りにして見上げる当事者の男は慄きながらも言う。
この人…先公だよなぁ、と。先ほど口にした言葉を思い浮かべながら。

そして剣呑な口調で三蔵は言った。その言葉に頭が真っ白になりかけた一同の姿があったとか。無かったとか。






「俺はの、父親だ」







んな馬鹿な!!!

























夏季<後の下

(終わりよければ全てよし。で、済んだら苦労はしない)
















ATOGAKI
ちょっと詰め込みすぎたかなーなーんて。それに展開速かったかなーなん・・・て。

はっはっは。ようやくラストスパートです。皆様どうでしたでしょうっか!
ベッタベタにしてやんよ!ベタな展開大好きだコノヤロー!

さて。幸子の良いところが垣間見れたと思う今回の話。そして教師、だよね…?こんなラブラブ?な雰囲気かもし出していいのかYO。
ってな感じですが最後の最後でやってくれました三蔵サマ。ヒロインが車内で発言した言葉を使ったみたいです、はい。
毎度の事ながら会話が長くなってしまいましたが、管理人はどこか満足気です。引っ叩いてやってください。笑
気持ち悪いくらいにノリノリですからね。引っ叩くだけじゃ足りないと思うんですよね!HAHAHA!(殴)

浮き輪はそのまま沖に流され、漁船の人に処分されました。後味悪い蛇足です。笑←
そしてヒロインの特技紹介。これはいつかのテレビで見た素晴らしい砂のお城を作っているおっちゃんがモデルです。
きっとアレヒロインのおじいちゃん(笑)多分、その人はまだ生きています。知らんけど。←
それと結局合コンをぶち壊してしまった4人。見守るだけなんて無理な話だ。いや、正確にはぶち壊してないんだろうケド。最終的にはこうなるんです。笑

ではでは。次回で最後の夏季篇。どうぞよろしくおねがいいたしまーす