煌めく銀色を見たら、克服したと思った恐怖がまた蘇って来るのを感じた














   trigger  Act:9 再来の暗黒

















両手を挙げてスタスタと犯人に近づいていく彼女を見たら八戒は何故か胸騒ぎがした

隣に居るエリの手を握るとこの内心が伝わってしまうのではないかと言うほど不安が湧き上がる

彼女は一回被害に合っている?

あの時の連続殺人犯は女性の首を無残にも切り裂くまるで現代の切り裂くジャック(別名:ジャック・ザ・リッパー)みたいだった

切り裂くと言えば…ナイフ

今の犯人に握られている物もナイフだ

もう片手にはライフルみたいな大きな拳銃


「いけない…!」


気付いた時には遅かった

今まで苦笑いの彼女の顔が急変して恐怖におののいていたから

止めるには遅すぎて、駆け寄るにも彼女は既に犯人に首をナイフで突きつけられてる状態だった

固まったを引き寄せるとナイフはそのままで犯人は片腕で抱きかかえるよに盾にする

みなが一斉に息をのんだのが分かる

八戒も例外ではなくあの微笑を崩して額には汗が滲んでいた

そして今ココにいない人物に祈る

早く、早く来てくださいっ…!と


「よぉし…てめぇらおとなしくしてろよ…?今仲間があの糞社長を殺しているところだからな!!」


八戒はコレほどにまで無い後悔をした

なぜ犯人がココに来ると思わなかったのか

なぜをみすみす犯人に引き渡すようなことをしてしまったのか

後悔してもしきれない思いを抱え一人ごちた


「あの、私以外の、人を…解放してあげてはどうです、か?」


と、その時

思わぬところから声が上がった

それは犯人の腕の中

すなわちからだ

彼女は多分古傷を抉られ必死に恐怖に耐えていると思ったから余計に八戒とエリは驚いた

なんて強さなんでしょうか…彼女は

こんなにも心打たれた事は無いと八戒は思ったのだった


「んだとコラ!人質は大人しくしてろ!!ぶっ殺すぞ!!!」


所々で小さな悲鳴が聞こえた

八戒たちとは反対の壁際で縮こまっている社員達だろう

銃の標準はそちらに向けられ今にも発砲しそうだった

これではイケナイ

そう思った八戒は徐に立ち上がった


「犯人さん…さんの言うとおり他の人たちを解放してあげてはどうですか?貴方もそんな極悪非道な方ではないでしょう?」


極悪非道と口にしてからあの無愛想な彼を思い浮かべて苦笑した

多分は知らないだろう彼の一面を想像してちょっとを哀れに思ったとか


「なんだてめぇ!さっきからうだうだと…!お前を見せしめに殺してやろうか!?」

「できるものなら…やっていただいても構いませんよ?」

「八戒さん!駄目っ…!」


どうやらの周りも気のお強い方が多いらしいですね


八戒は隣で八戒を庇おうと前に出たエリと反対側の端で部下を守るように身構えている部長に眼を向ける

そして何を思ったかエリを優しく座らせ尚且つ犯人に近づいて行く八戒


「く、来るな!来たら子の女がどうなってもっ…!!」

「どうなっても…なんですか?はっきり仰ってくださらないと僕には分かりませんよ?」


そこでとエリは今朝初めて会った八戒の笑顔がとても恐ろしく見えた

あの時の笑顔はなんだったんだと思わせるくらい…怖かった


「くそっ!!オイ男!止まれ!止まれ!!!」

「…っ!」


犯人は近づいてくる八戒に恐怖を覚え逃げるように後ずさる

そしての首にナイフが不本意にも当たってしまい血が流れた

その深さは全然大した事ではないが八戒は内心慌てる


「この女が殺されてもいいのか!」


その言葉に八戒は微笑を深めた


「大丈夫ですよ?もう、彼が来ましたから」


だから、安心してください。さん

であった当初より暖かな微笑みには落ち着き

『彼』と言う単語にありえないけれど大好きな彼を浮かべた















To be continued.












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ATOGAKI
引っ張りすぎる…いい加減にしろ。な、管理人です←
1話目からずっと出ていたんだからいいじゃないと言う本音は閉まっておいて建前的にはこの方が面白い…かなぁ〜なんて…orz
次回、やっと出てきます三蔵サマです!なんてヒーロー的な感じになっているのか…ってか八戒怖い怖い(ォィ
ヒロインの心境を書こうにも書けず文才の無さが身に沁みる…笑
photo by clef 様