こんなとき、彼が居れば私はどんなに安心できたか…一気に身に沁みた
trigger Act:8 事件
大きな音を立てるベル
それが緊急事態が起こったのだと脳に知らせるのには十分だった
「さん、エリさん。貴方達は批難してください!」
「え、八戒さんはっ?」
「僕はやる事があります。いいですか?絶対犯人に遭遇しないように気をつけるんですよ?」
「…はい!」
そう言うと八戒は達が居る社内から出て行った
今はもうお昼ご飯を食べ終え食堂から戻ってきたばかりだ
お腹イッパイになって眠気が襲ってきたときベルは鳴った
その音は一気に眠気を吹っ飛ばすには丁度良くて
もエリも社内同様緊張に包まれた
そして緊張していた社員を動かしたのはこの科の部長
実はこんな時頼りになるんだなぁ、と頭の隅で思ったは声のままエリと批難することになる
「みんな落ち着け!いいか?慌てずにこの廊下の先の非常階段から出るんだ!急げ!」
図太い声の持ち主部長は端から社員を誘導し始めた
その行動は迅速でさすが部長になっただけあると思うとエリ
彼女達は最奥にあたる机のためきっと批難するのには最後になるだろう
早鐘を打つ心臓を押さえ今か今かとそのときを待った
しかし
「てめぇら全員動くな!!」
最悪の状況が事態を急変させるにはもってこいで
また自分は被害者側になるのかとはうなだれることになったのであった…
現状は以下の通り
社内に残ったのは数人
その他は無事に批難できたようだが犯人が1人とは限らない
多分これは今朝の脅迫状の奴だろう事は判断できるがどうやらこの逃げ遅れた数人は人質なのだろう
理解はできるがどうしようもないことは明白である
は無意識のうちに愛しい彼を思い出していた
三蔵
今は居ない人物にただただ思い馳せるだけしかできない自分がもどかしかった
そしてお約束、人質の中の人質が選ばれる
その眼に止まったのは直ぐ横での腕を抱きしめていたエリだった
「オイ、其処の女!こっち来い!!」
「え…そ、そんな」
エリは微かに震えていた身体を一層震わせ身をちぢこませた
そんな時、のもう片方の隣に今まで居なかった人物が声を掛けた
「女の人を人質に取るなんて、男の風上にも置けませんねぇ」
「!?八戒さん!な、なんで」
なぜここにいるんですか
貴方は先ほどやる事があると言って出て行ったはずでは…
そんなの考えることが分かったのか八戒は小声で答えてくれた
「ホラ、後ろのドアから入って来たんですよ。吃驚しましたか?」
えぇそれはもう目玉が飛び出るくらいに
言わなかったがきっとの考えることは分かってしまっただろう八戒は苦笑した
「何喋ってんだお前等!いいからさっさとその女をこっちによこせ!」
犯人は3人の様子にいい加減イライラしてきたのか興奮気味で怒鳴った
しかしエリを簡単に引き渡すにはいかない
きっと八戒が変わりになると言っても犯人は納得しないであろう
となれば、
「あの、私じゃ駄目ですかね?」
「!何言ってんのよアンタ!!」
「そうですよさん!駄目です!貴方は、」
「私なら大丈夫です。一回同じではないけど体験してますし…ホラ、私運が強いんですよ?」
そういって華やかに笑った彼女の顔がどこか儚げで八戒を黙らすのは簡単だった
…なんて強い人なんだと八戒は思った
見た目は天然で、ソレがまた一層今の彼女とのメリハリをつけた
そして彼女は言葉通り人質の中の人質になってしまったのである
これは後で僕は殺されちゃいますね、と八戒は心中で苦笑したのだった
To be continued.
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ATOGAKI
アンタは一体何者なんだ。て感じの八戒でした。そしてヒロインは天然で結構図太い神経の持ち主と言う事が分かったと思います
運が強いとは、殺人犯に会って三蔵に助けられたから、と言う理由…無謀だな(お前なぁ…)
ホント全然出てこない。前とは打って変わって話は進みますが次の…次?くらいに三蔵サマ出せたら、と思います
ソレまでは八戒さんに出張ってもらって、事件解決ーなんてなったらいいなぁ〜(願望か)