trigger Act:7 知られざる現状
ついに結ばれたこの思いを胸にあれから数日が経とうとしていた
は初めて会ったその日から心奪われて
三蔵の内面を見たらもっと奪われた
そして三蔵も同じ気持ちだったと言うことがとても嬉しくて嬉しくて
もっともっと彼を知りたくなった
そしてこれからもずっとずっと一緒に歩んでいきたいと思ったのだ
「信じられないかも…!これはきっと運命…必然だったんだよ!きっとさ!!」
浮かれながら独り言を呟き、周囲から異様な目で見られても全く気がつかないは
まさにルンルン気分で仕事に向かう道のりを歩いた
今日のご飯は何にしようかな、と愛しい彼を思い浮かべながら…
そして数十分後、電車を乗り継ぎ己が勤める会社に着いた
しかし入ってみると社内は騒然としていたのである
「どうしたの…これ…」
「あ、!久し振りの職場復帰で驚いたろうけど、今朝ね社長に脅迫手紙が届いたのよ…」
同僚の話によるとこうだ
今朝唐突に送られてきた脅迫状
が勤める会社は中々に大きくて、結構有名である
それを妬む輩はやっぱり多くて
でも今まで起きた事の無い事に社内は慌てふためいていた、というわけである
そして脅迫状の内容はこうだ
『今日午後2時に社長を殺す』、との事
なんともまぁ分かりやすい、安易な内容なこって
天然で少し抜けているには緊迫した雰囲気は伝わらなかったようだ
「ちょっと!あんたも慌てなさいよ!もう本当に天然なんだから…!」
「え?だって悪戯かも知れないでしょー?知らないよそんな事」
「あんたねぇ…つい先日事件に遭遇したばっかりでしょうが…」
「そうだけど…」
その時は三蔵が居たお陰で見事克服できた
自然とにやけるを横目に眉を潜める同僚のエリ
事情を聞きだすと彼女はニタニタと肘で小突くのであった
「そうだ!今日なんかね、新しく赴任してくる人がいるんだってさ」
「え?こんな時に?」
「そうなのよー。私達も今朝知ってね。なんか脅迫状来たから呼んだみたいだよねぇ」
ま、関係ないことだろうけど
と彼女は部長に呼ばれ早々に行ってしまった
一体なんだったんだろう、とは首を傾げたが久し振りの出社だ
各々準備をしなくてはならないので次席に行った
そして数分後
朝礼が始まる時間になったので社員は揃って部屋に居た
部長によばれたエリも戻って来ていての隣の席に座っている
そして現れる部長と後ろには見知らぬ青年
彼が今日来ると言っていた人物だと社員はわかった
部長の長い挨拶の終わりに青年の紹介が入りとても好青年だった
「始めまして。猪八戒といいます。至らない点もありますがどうぞよろしくお願いしますね」
ニコリ
爽やかな笑みを貼り付け青年、八戒は頭を軽く下げた
「では隣の君。彼をよろしく頼むよ」
「え?…は、はい!よろしくいねがいします。えと、猪さん?」
「ははは。呼びにくいですから八戒と呼んでください。さん?」
「じゃあそうしますね。八戒さん」
「えぇ」
隣、と言うか部長に背を向ける形で良く言えばお誕生日席の八戒
彼は見た目どおりそして言葉通り礼儀正しく好青年だった
隣を見れば心ときめかせている同僚の姿
…私より彼女に任せたほうが良いのではないか
そうは思ったのであった
そして昼
久し振りにお弁当を作って会社での昼ごはんだ
三蔵には三蔵用のお弁当を作って渡しておいたが一体彼は何をやっている人間なんだろうか
が出社するまで毎日家に居たはずだ
夜だって共にしていた
そんな彼が何時仕事をする時間があるのだろう、とは未だよくしらない彼に哀しくなりながらお弁当をあけた
そんな時、今朝来たばかりの八戒が来た
八戒は変わらぬ微笑で目の前に立つと「前ご一緒してよろしいですか?」と、礼儀正しく言い
隣に座るエリは大歓迎と席を進めると物静かな物腰で席に座る
そして色とりどりにあふれるお弁当に眼が行く
…奥さん居るのかな?
なんて疑問が顔に出ていただろうか八戒はその疑問に嫌な顔せず優しく答えてくれた
「コレは僕の手作りなんですよ。お恥ずかしいですが…」
「イエイエ!全然そんなとってもおいしそうです!」
「ありがとうございます。やっぱり貴方は優しい方ですね…彼が落ちた理由も分かります」
「?」
最後は聞き取れなかったが気にする事無くおいしそうなお弁当を眺めた
これはほしいわけではない
少し勉強にしようと思ってみていただけなのだ
そんなを知ってかしらずか八戒はエリと喋っていた
そんな午後の陽気な中、突然社内全体に響き渡る様な大きな音のベルが鳴り響いた
To be continued.
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ATOGAKI
八戒登場。誰にするか迷ったけどやっぱり最初はこの方でしょう!
三蔵そっちのけで話が進んでしまってすみません。前回までの甘甘はどうした自分←
そんなこんなでやっとこさ本編突入おめでとー。次回は三蔵出るかもね。どうかな!
ま、暫くは八戒とイチャイチャしていてください。嘘だけど(嘘かよ)
注)これはあくまでも三蔵サマ夢でございます。お間違いの無いようお気をつけください
photo by 空色地図 -sorairo no chizu-様