やっぱ強盗っつったらアレか?目と口だけ穴開いてる覆面?…だれがするかよ



















   trigger  Act:48 母親強盗強奪奪還






















「なぁ焔兄さんよ」

「お前に兄など言われたくない」

「ちゃんだけの特権ってか?」

「それ以上言ったら手がすべるぞ?」

「それだけはマジ勘弁…!」



薄暗い路地裏

そこに焔と悟浄が周囲に気をつけながら歩いていた

焔の手には護身用とは思えない結構な大きさの拳銃

もちろん標準は悟浄に向けてだ

そんな戦闘用でしかも至近距離に構えられたらなす術も無い

冗談だったとはいえ悟浄は両手を挙げた

焔への『と兄』は禁句らしい

それでもからかいたくなるのは悟浄の性

本当に打たれるのもそう遠くないかもしれない


「無駄口を叩く暇があったらその触覚で探せ」

「これは触覚じゃねぇって!」

「はぁ…何故八戒はこんな奴を俺と組ませたんだ」


あの後車を走らせダストファミリーのアジトを見張っていた焔

八戒から連絡を受けて悟浄と合流して今に至る


「そういうなって。俺だって結構腕は立つほうよ?」

「頭はともかくな」


抗議の声が上がるが今はそれ所ではない

2人は八戒の情報でケンの母親リカが居るであろう建物付近に居るのだ

出入り口には見張りであろう大男2人がいて見つかったら騒ぎになるのは目に見えている

出来る限り最善を尽くすつもりだが見つかるもの時間の問題かもしれなかった

耳鳴りがするほど静かな路地裏

昼間と打って変わって気味が悪いほど静寂に包まれたその場所は物音ひとつ立てれば響いてしまう

辺りには街頭など無いに等しくまさに手探りの状態だった


「じゃあ行きますか」

「中の奴等に気付かれないように行けよ。人数が増えたら面倒だ」

「保障できませんが了解っと」


拳銃を懐にしのばせた悟浄が先陣きって行くようだ

これからどう転ぶかはやってみなきゃわからない

たとえ見つかったとしても騒ぎに乗じて行けるかもしれないが



悟浄はまず後ろから1人

そしてもう1人隣の奴をすばやく気を失わせた

お見事である


「さて、これからどうすんだ?中には適さんがわんさか居るだろうしぃ?」

「八戒が送ってきた地図によるとこの扉を開ければ階段だ。運よく鉢合わせしない限り大丈夫だろう」

「建物内まで調べたのかよ…恐るべし八戒の情報網…」

「敵には回したくないな…行くぞ」

「おーけぃ」


笑顔の青年を思い出すだけで寒気がしてきた2人

焔が言うとおり敵に回したくなはい

心底見方でよかったと悟浄は思ったとか


ギィィ


不気味な音をたてながら開くドア

そんな音でさえ響いてしまう建物内は案外明るかった

入ってみると直ぐ地下に通ずる階段あって裏口からしか地下には行けないと地図に書いてある

明らか何か隠してありますよって感じの其処は明るいとはいえなんだか不気味だ

一歩一歩と階段を降りる2人

あまり長くは無いらしく直ぐに行き止まりとなった

正面にはにはこれまた怪しげな扉

警備は其処まで厳重ではないのか

悟浄が恐る恐るノブに手をかけたその瞬間




ジリリリリリリリリリリリッ!




「あ」

「はぁ…」


唐突に鳴り響くベル

扉の向こう側からは慌しい声が聞こえる

どうやら特殊なことを施さないと鳴る仕組みになっていたらしく尚もベルは鳴り続けた

足音もこちらに向かっているのがわかりコレはマズイと冷や汗をかく悟浄

強行突破は免れないらしい

それはそうと悟浄は躊躇う事無く扉を蹴破った




「侵入者だ!捕まえろ!!」





「うひゃー。こりゃ大勢のお出迎えなこって…」

「呑気なことを言っている場合か!兎に角蹴散らせ」

「俺だけ!?そりゃないぜ焔兄さん」

「蜂の巣にしてやろうか?」

「だぁー!やればいいんでしょ!やればっ!」


想ったより大勢の黒ずくめサン達の歓迎を受けながら悟浄は次々となぎ倒していく

銃弾が飛び交う中焔は隙を見て奥に走る

突っ走る焔を見逃してくれるはずもなくコレでもかと言うほど大量の敵が襲い掛かってくるが持っていた拳銃で対応し

瞬く間に敵は地に伏せることになった

広い室内を一直線に駆け行き着いた扉を開くと通路があり其処にもまだ敵はわんさかと現れ焔は舌打ちと共に発砲

怒声と銃声が合わさって不協和音を奏でる中硝煙の匂いがやけに鼻をついた

それに混じって鉄臭さもだ

戦場とはこういうものなのか

かなり経験積んできた焔だが胸糞の悪さは慣れない


「何処に居る?こう敵が多いと探すもの面倒だな」


後ろを振り返れば多くの屍と、先ほどの部屋から見える赤い髪

前を向けばまだ向かってくる敵

その奥にはまた扉

地図を暗記した焔はあの扉を開けば確か牢屋だったか、と確認する

その奥を突き当たりに行けば今度は上に繋がる階段があった筈だ


「ったくややこしい事この上ないな」


悪態をつきつつ手は確実に敵をなぎ払っていく

苦戦を強いられる状況になったみたいだった















+++
















『侵入者だ!捕まえろ!!』



遠くで聞こえる声

ソレと共に鳴り響く銃声

薄暗い牢屋の中で悟空は1人、鍵を壊していた

このくらいの作りの物だったら屁でもなく簡単に壊せた

大きな音をたてて吹っ飛んだ扉は前に居た看守に当たり偶然とはいえラッキーと思う

今は表の騒ぎで出払っているらしく扉の下敷きになっている男以外には誰も居ない

チャンスだと思い悟空は一目散に牢屋を出た


「ってかどっから出ればいいんだ?…兎に角上だな!」


悟空は出て右側に見えた階段を駆け上る事にしたのだった


ちなみに言うとその階段では外に出れない

左側の扉の向こうでは焔交戦中










「そういえば侵入者ってだれだろ?まいっか」




















To be continued.























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ATOGAKI
描写って難しいなぁ…あっははっは。
さて悟空は反対側を行ってしまったけどどうなるんでしょうか。それと焔と悟浄は大変そうですねぇ←
前ぶりは悟浄のです。覆面ネタは八戒と三蔵の会話に組み込もうとおもったんですが入る隙間がなかったので悟浄さんに笑
ってか焔と三蔵の区別がつかない…/(^o^)\
photo by spirit+様