怖い…全ての威圧感とこの異様な雰囲気が
trigger Act:41
博打、取引、云々…
室内は全てマフィアしか居なく金儲けをたくらむ者、腰低く気に挨拶をする者と様々なマフィアが各々行動していた
そんな中
三蔵とはターゲットに接触するため自然に開けられた道を通り一歩一歩と歩みを進める
そして人垣が作る道の終着点、ダストファミリーのゴットファーザーと向き合った
暫し近況気味のは絡ませた腕の力を込める
そんな彼女に安心させるように三蔵は柔らかな瞳を見せた
そのお陰で緊張がほぐれも甘美な笑みを見せると2人はターゲットに目を向ける
しかしその前に立ちはだかる人物が居た
「あんたは?」
「…後ろのゴットファーザーと話がしたい」
金青眼を持つ茶髪の少年だった
「…アレ?」
は思いもよらぬ人物に気付かれない程度に目を丸くした
なんで悟空がダストファミリーに?
「俺はこのトイ様に雇われた用心棒だ」
「強そうには見えんな」
「だったら、アンタをこの場で沈めてやってもいいよ?」
イヤイヤこんな所で喧嘩をおっぱじめないでくださいよ
でも悟空の一言ではわかった、気がする
最近姿を見ないと思ったらこういうことか
どうやらこれも作戦のうちらしい
「これこれ。悟空…客人に失礼はするな」
「スミマセン。ボス」
喧嘩が始まりそうな雰囲気を止めたのは後ろの目的の人物
ダストだった
「これはこれは。玄奘ファミリーの三蔵殿とお見受けしますが」
「かの有名なダストファミリーのトイ、様がご存知とは…光栄です」
様付けするのに一瞬戸惑ったことは秘密です
それはともかく
改めて向き直るとさすがここら一体を牛耳るマフィアのボスだけあって威圧感が半端無い
けれどこの男を三蔵は釣らなくてはならないのだ
こんな威圧感は三蔵にとって意味を成さないのだが。
も心の中では『絶対お父さんの方がカッコイイ』などと思っていた
さて問題はこれからだ
こっちから取り込まれる話を持ち出すと怪しまれるのでここは慎重に他愛もない話をしていくのが賢明
トイはこの一体を牛耳るほどの男
そう簡単に行くとは思わない
「部下が失礼なことをしたね」
「威勢のいい用心棒で」
「ははは。結構使える用心棒なんだよ」
そりゃそうだ
なんてったって桃源郷屈指の存在だ
悟空は上手く潜入には成功しているようだった
後ろに下がる悟空には挨拶代わりに甘美な笑みを送った(本当はいつもの笑みなのだが化粧がそうさせた)
「君は色々と有名でね。まさかマフィアになっているとは思いもしなかったよ」
「一度スリルを味わいたくなりまして」
「はっははは。面白い小童だな。どうだ?私の傘下に入る気は…?」
掛かった
案外早く来た事には三蔵がどれほどの人なのかわかった気がする
まだ三蔵の過去はしらない
知ろうとも思わない
だって三蔵は三蔵だから
「こんな新米で貴方の足元にも及ばない、小童に何を」
「さっきのは失言だったかね。気を悪くしたのなら謝ろう」
「いえ、そのようなことは」
「そうかね。まぁ私もいろんな意味で有名な君を取り込むと後々都合がいい…わかるだろう?」
「私でよければ全身全霊をかけて出来る限りご協力させて頂きますよ」
「話がわかる奴でよかった。乾杯でもするかい?この記念に」
「ありがたき幸せ」
グラスを合わせると小気味良い音がした
それは服従の証
こちらも第一段階作戦成功、と言った所だ
裏になにかありそうだが今は上手く行った事に賞賛の意を込めて拍手を送ろう
だってあの三蔵が敬語…しかも普段絶対言葉にしないような口上を述べているのだから
一部始終を見ていた周りの物は驚きを隠せないといった風だった
あの最高権力を誇るダストが、あの玄奘を取り込んだ
コレで一気に名が轟いたことだろう
全て計算のうちなのである
「それにしても美しい…君の愛人は何と言うのだ?」
「彼女、はマフィオソー(正式構成員)でもあり私のフィアンセ…でもあります」
実際にはプロポーズなんて受けてませんけど
ま、先に焔に言われちゃいましたがこの際仕方ないですね
「そうかフィアンセだったか。それは失礼、私の愛人にしたいくらいだよ」
「ご冗談を」
誰がお前みたいな薄汚れたオッサンに渡すものか
なんて口には出さないが表面上は軽く口端を上げる三蔵
からの視界、下から見ると米神に青筋が立っているのが見えた
「まぁそちらのお嬢さんは諦めよう…私も新しい愛人が出来たばかりだ。浮気ばかりでは愛想をつかされてしまう」
何を抜け抜けと、と何人が思っただろうか
このトイは女癖が悪いのでも有名である
愛人を数名かこっては欲を貪ると言う
大物はやることが過激だ
その理解できない思考で何故こんな権力を持つのかさえ不思議である
そんな奴だからこそ牛耳るほどの権力をもったのかもしれない
まぁ、三蔵には理解できないと言うか理解する気も起きないと言うのが本音だった
他愛も無い話をすること30分
トイは席を立った
「私も歳だからね。そろそろ帰るとするか」
側近だろうか1人の男が隣に移動してきたのでソレを合図に身支度を整えるトイ
ひと段落した事なので三蔵も素直に受け入れることにした
「お気をつけてお帰りください」
「あぁ。それでは、今後の事は追って連絡させる」
「わかりました」
トイは今後の事を言うと部下数名を引き連れ出て行った
その憎たらしいまでの後姿に反吐がでそうだ
そして残された三蔵とは人知れずため息をつく
疲れた、それだけ
今は出て行くダストファミリーのお見送りをしている者が殆どで回りに誰も居なのをいい事に
肩の荷を降ろすと言った所だ
「いやぁ見事なまでの演技、恐れ入りますねぇ」
唐突に後ろから聞こえる声
振り返るといつものように笑顔を貼り付けた八戒で
「八戒貴様…」
「凄くよかったですよ?普段お目にかかれないような三蔵が見れて」
「あの三蔵が、敬語とか…プププ…」
「笑うな…!」
「まぁまぁ。さて、僕等も早々に退散しましょうか。これ以上長居するとボロがでそうなので」
それもそうだ
初めてのことなので体力がいつも以上に消費したことだろう
それを踏まえて八戒は帰ることにした
作戦は成功
コレを手土産に観音に報告して今後の行動も練らなくてはいけない
(さて、次はどうでるか見ものですね…色々と)
不敵な笑みを携え何を思うか八戒
その心情は計り知れない
そして新たな事件に笑みを深めるのだ
「母さんを帰せ!!!トイ・ダストォォォォ!!!!」
To be continued.
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ATOGAKI
マフィオソー(正式構成員)と言うのは信頼できる部下と言う意味で取ってください。ただの部下だとなんかいやだったんですよ。うん。
そして悟空の任務なんですが。悟浄は出したからいいものの、悟空のポジションがどうも納得いかなくて。
この話を書く直前に思いついたので取り入れてみました^^^結構気に入ってます。
三蔵サマとの言い合いも入れてみたかった!いつもどおりの言い合いと受け取ってください^^^
あと、三蔵サマの敬語。かなり楽しんでます管理人は!スミマセンホント…いいですよね。敬語…プハ(しんでこい)
それと最後の台詞はあのガキんちょです。前半で出てきた親子再び再登場。名前決めててよかったー!←