アイツが他の野郎の視界に入ると思うと虫唾が走る…
trigger Act:39 開戦・宣戦布告
は呆然としていた
見たことも無いような煌びやかな室内
豪華な食事が並ぶ机
そして沢山の人
全員が堅気に見えない異様な光景に息を呑んだ
『いいか?気をつけて行って来い。何かあったら俺を呼ぶんだぞ』
初めて乗るリムジンを降り焔が言った事
そんな言葉もかき消すほど室内は凄かったのだ
でもそれ以上に驚いたのは、地下に出来たその施設の扉を開いた時だった
ドア付近に待機していたボーイが扉を開けると中に居た人達は一斉に視線を向ける
そして現れた人物を見ると一斉に声をあげたのだ
あの金髪は、あの人は、アイツは、アレは…etc...
注目の的な本人は不機嫌そのままだったが。
ざわざわとどよめきが起こる室内
肥満な男、着飾った女、その他色々な人が我先にと三蔵に近づいていく中で
は1人、だただた唖然としていたのだ
ドア口に受付の男がマイクを使って紹介文を述べると、一層どよめきが起こる
後ろに居た八戒はを人混みから守るように傍に着く
それも頭に入ってこない
何もかも新鮮で反対に、怖かった
『こちらの方は玄奘ファミリーの三蔵様です』
今まで口コミでしか名を馳せていなかった新設マフィア
一目見てみたいと誰もが思う正体にみな驚きが勝っているようだった
ひそひそと会話される噂話
元軍人エリートが何でも屋に転職して終いにはマフィアになった、と
誰もが疑うその真相にみな息を呑む
この神々しいまでの容貌にため息、歓喜の声、そして苦々しい言葉
それぞれの声を浴びて三蔵は堂々と歩みを進める
を己の腕に絡ませ赤い絨毯を威厳に満ちた態度で踏みしめる
己の存在を見せつけ、知らしめるように
その憎たらしいまでの態度に憎々しい声は押し黙った
は三蔵の腕に己の腕を絡ませ妖美に微笑む
気丈に振る舞い周りの男共はその美しさにため息をつくほどだ
シャンデリアの光を受け煌々と輝く金糸の髪
腰までいく長さを緩く巻いた漆黒の髪
優雅な2人の姿にその場に居たマフィア達は目を奪われた
「完璧なまでの振る舞いでしたよ。御2人とも」
一行は案内された席に着くと表情を変えずに小声で話し始めた
まだ人の視線が向けられているのだ
うっとしいことこの上ないがあんな宣戦布告とも取れる振る舞いをした手前下手なことは出来ない
それを3人は分かっているのだがさして気にせず、各々向き直った
「俺は早く終わらせてぇ。こんな茶番…」
三蔵は煙草を取り出すと早々に火をつける
リムジン内では焔に『禁煙だ』と言われすえなかったのだ
それに従う三蔵も案外律儀である
「八戒さんが教えてくれた微笑もできました!」
はと言うと少し表情を崩してニコリと微笑む
化粧のお陰で甘美に見えるその微笑に三蔵は目線を外した
これ以上見ると心臓に悪いからだ
「えぇ。よく出来てましたv僕、虜になっちゃいそうです」
「…八戒」
「あはは。怒らないで下さいよ。嘘じゃ無いですけど」
八戒は自分がして見せた微笑をが予想以上にこなす姿に心底感動した
本当にもう虜になっているのではないか、と内心苦笑だ
は実践して見せてくれた八戒の妖美な微笑みにに頬を染めたのは内緒です
「わー!このご馳走食べていいの?」
「どうぞどうぞ。あ、ちゃんと『振る舞い』を忘れずにね?」
見たことも無い豪勢な食事には興味心身だ
そんなの姿にどこぞの馬鹿猿だ、と八戒と三蔵は思った
それでも嬉しそうなを見ると和む
こんな敵しか居ない室内で気を張っていた2人は冷静になると共に
気を抜かず、けれども心落ち着かした
刺々しく好奇な目線にうっとおしくなっていたがの存在に和らいだ
普段ニヘラと笑っている彼女は今見るととても信じられない
女は化粧をすると化けると言うがそれだけではなさそうだ
仕事の時の顔つきと普段は違う
はちゃんとわかっていて真剣に取り組んでいる
そんな姿が微笑ましい反面素直に凄いと思ったのも事実だ
「さて。お仕事しましょうか」
暫くすると八戒はこれから行動を起こすようだ
の意気揚々(表面は甘美)な食事所を見ていた三蔵は短くなった煙草を用意されたコレまた豪華な灰皿に押し付ける
は食べた事が無い美味な料理に手を出すのを一旦止めた
まずやる事
それは事前に説明を受けていたと三蔵
八戒の言葉を合図に立ち上がった
まずはターゲットとなるこの一体を牛耳るマフィア、ダストファミリーとコンタクトを取る
そして取り入れる…ではなく取り込まれる形にするのだ
信頼させ取り込まれる振りをする
こっちは仮初なので本当にそうしてもよいのだが、詳しく調べられると少々まずい
八戒が用意したのだからそんなヘマは無いだろうけれど
用心には越したことはないので細心の注意を払って行動しなければならない
「いいですか?これ以上は駄目だ、と思ったら直ぐさま引き返してください。失敗したら全て終わりですからね」
「あぁ」
「それとさん。貴方はなるべく三蔵の傍を離れないようにしてください」
「はい。がんばります!」
「ふふふ…貴方はきっと一人になったら野郎共が放っておかないでしょうからね」
「そんな奴がいたら殺す」
「まぁまぁ。三蔵が離さなければ問題ないですから。…では、僕は他にやる事があるので席を外しますがくれぐれも注意してください」
釘をさすように言った八戒は2人が姿が見えなくなるまで見送ると早々に席を立った
己はいざと言うときのため外で待機している悟浄と会わなければならない
何も無いとは限らないのですぐさま戻るつもりだけれども
「上手くやってくれればいいんですけどねぇ」
暫しの不安を胸に、地下に通ずる階段を上った
To be continued.
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ATOGAKI
服装は八戒と焔は同じ感じ。八戒は濃い緑のスーツです。三蔵とヒロインは前にも説明した通りです。
それにしても自分の頭の悪さに泣いた…言葉が出てこないんですよ。orz
ってか玄奘ファミリー…家庭的な意味で妄想しちゃうんですけどっ!←。家族構成はどうしようか…みたいな笑
ダストファミリーと言うのは思い付きです。屑がっ!なーんてな。