目が覚めたら貴方がいた…それだけで満足
trigger Act:27 天国?んな馬鹿な
夢を見た
お城みたいな部屋に閉じ込められている私は窓から見える月を眺めていて
誰かをずっとずっと待っていた
それは誰かなんてわからなかったけど、テラスに舞い降りた人物を見ると私は一目散に駆け寄ったの
その人に触れようと手を伸ばした瞬間――
ガシ
「…?」
夢の中で伸ばしたはずの手が掴まれた
その犯人は眩いくらいの金髪を携えた三蔵で
わかった途端は一気に目が覚めた
「三蔵っ!」
「うおっ!」
いきなり胸に飛び込んできた愛しい存在に三蔵はなんとか持ちこたえの背中に腕を回した
必死に逃がすまいと抱きついてくるに愛しさが溢れ己も負けずと抱き返し
触れる場所から彼女の想いが伝わったのか自然と口が緩む
「会いたかった…!すっごく会いたかったの!」
「あぁ。…俺もだ」
同じ事を思っていた事がこんなにも嬉しいだなんて
己の内から沸きあがる衝動を抑えることなんて誰が出来ようか
三蔵はすがり付いてくるの顔を優しく持ち上げ唇を合わせた
「あはは。お熱いですねぇ」
そんな甘い雰囲気に水を注したのは、微笑が良く似合う青年
「八戒っ!!なんでてめぇ…!」
「何言っているんですか三蔵。先ほど連絡を入れたでしょう?『今着きました』って」
「………」
そういえばジープをかっ飛ばしていた時電話があった気がする
でもまさか病院にいるとは思わなかった
ってかいつ部屋に入ってきたかさえ謎だ
八戒は呆気に取られた2人に苦笑すると「お邪魔してしまいましたねぇ」なんて呑気に言う
本当に侮れない男、ココに見惨
「あ、お久しぶりです八戒さん!」
「お久しぶりですねvさん怪我の具合はどうですか?」
「怪我…あぁ大丈夫ですよ!全然痛く無いですし」
「それはよかったです。依頼主さんから聞いたときは吃驚しましたよ?」
「心配させるなこの馬鹿女」
「えへへ〜」
包帯を頭に巻きつけたは本当に平気なようで
三蔵と八戒はこれ程に無く安堵の胸をむねをなでおろした
いつもの様に元気な姿が其処にはあった
それに安心して三蔵はの頭を労わりながら撫ぜる
そんな三蔵の様子に目を見開く八戒であったが、ここはチャチャをいれずそっとしておこうと笑顔で未だ抱き合う2人を見つめていた
「さて、そろそろ返りましょうか2人とも」
「あぁ。そうだな」
「でも列車ってあるのかな?」
「心配には及びません。車を用意してありますからv」
そういうと八戒はポケットから1つの鍵を出して見せた
銀色に光るそれは八戒の愛車のものだ
「少々狭いですけど、人目に憚れず帰れますから気が楽でしょう?」
「…それもそうだが、遠回りになるんじゃないか?」
今の2人と時間帯を考慮して用意した車
だが気がかりなのは時間だ
三蔵は遠回りになることを知っていて列車を選んだのだから当然の事だろう
だが八戒は呆気らかんと言った
「知らないかったんですか三蔵。最近新しく道路が出来て列車よりも若干早い時間で移動できるんですよ」
そうだったのか
と三蔵は普段遠出する事も無いし興味が無かったため律儀にも列車で来たことを後悔した
「僕はてっきり知って居るものだと思って言わなかったんですが…言っておいたほうがよかったですかね」
三蔵は嘘だと確信した
知っていたなら車なんて用意しないしなにより、八戒が浮かべる笑顔がとても憎たらしいからだ
「てめぇ…ワザとだな」
「ははは。人聞きの悪いことを。さっさと列車に乗り込んだのは貴方でしょうに…
それに黒ずくめさん達にいち早く気付けたんですからむしろ特したでしょう?」
まったく食えない奴だと三蔵はため息をはくしか出来なかったとか
しかしもっと早く着いていればをこんな目にあわせなくて済んだのではないか
(…コレは俺の不甲斐なさが生んだ結果ってわけか)
そう、全ては己の責任
二度とこんなヘマを二度とするものかと三蔵は密かに誓った
そして一行は八戒の愛車に乗り、フリア村を後にするのであった
To be continued.
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ATOGAKI
八戒さん見事に邪魔をしてくれました。でもそんな八戒さんが好きな管理人です。どうもどうも。←
長くなりましたがやっと依頼コンプリートです。次は都会に戻って本格的にマフィア討伐が始まります。ホント長いな笑
マフィア討伐にあたってようやくヒロインの過去が明らかになると思います。出来れば三蔵サマの過去も(でも持ち越しします)
流れ的には(予定ですが)ヒロインの過去〜マフィア討伐完了〜それにともない三蔵サマの過去〜みたいなノリ。
三蔵の過去に入る頃にはミッションコンプして次の事件はいるかな。どうかな!
そんなこんなでまだまだ続くと思われるこの連載。どうか先の見えない最後までお付き合い願いたいと思います!ありがとうございました〜