今この場に居れないことは不本意だが…仕方ねェさっさと終わらせて家に帰るぞ
trigger Act:25 歯がゆい
をオペ室に見送り三蔵は早々に病院を後にした
全てはの為
ありったけの思いを胸に
車に乗りこんだ
もうそろそろ日が暮れる頃
三蔵は医者の愛車である1台の黒いジープを運転していた
目指すは先ほどの家
きっとすれ違った黒ずくめの連中は着いているかもしれない
手遅れになる前に一掃しなければ、と風圧に髪を遊ばせながらアクセルを踏み込んだ
「チッ…」
見渡す限り牧草
たまに牛の群れ
そして人
本当に何も無い砂利道が補整されている筈は無く車体は大きく揺れた
コレが普通の乗用車だったらどうなっていたことか
三蔵は穏やかに笑う眼鏡をかけた医師に感謝した
『ここら辺の道はスピード出すには無理がある。私のジープを使いなされ』
昔は軍が使っていたものを黒く塗りつぶしたのだと言うジープ
この村には病院が1件しか無いので出張診察など頼まれるのは少なくは無い
そのためか医師は愛用しているのだと言っていた
昔は嫌と言うほど運転してきた三蔵にとって、意外なところでそれが役に立ったことがやけに不思議だった
「軍…か。 どいつもコイツも好き勝手抜かしやがって。湧いてんのか」
嫌になる
昔の自分が
周りのなにもかも全て
「俺も、人の事言えねぇな……だせぇ」
数分経っただろうか
目印もろくに無い薄暗くなり始めた道を走りぬケようやく目的の場所に三蔵はたどり着いた
家の前にジープを止めると降りて玄関に向かう
外灯はついておらずしかし中は薄っすらと明かりが漏れていた
多分中にあの親子と夫婦は居るだろう
三蔵は控えめにドアに取り付けてあるライオン型のノック用の金具を数回叩いた
すると隣の窓から人影が見える
先ほどあんなことがあったばかりだから用心しているのだろう
人影は三蔵だとわかると慌ててドアを開けた
「貴方は…」
「悪いが野暮用があってな。邪魔する」
「えぇどうぞ中に」
出てきたのはこの家の主人だ
緊張した面持ちで顔を覗かせると一瞬目が見開いたようにも見える
余程三蔵の訪問が意外だったのだろう
主人は三蔵を中に通すとと同じように毛皮のソファに案内した
通されたリビングに行くと毛皮のカーペットの上に座り眠っている子供を膝枕させた母親
1人掛けの椅子に座る妻が居てこちらも緊張した面持ちで三蔵を迎えた
主人は三蔵がソファに腰掛けるのを見計らって口を開く
「あの、さんは…?」
「今傷口を縫っている所だ。それより、誰か他にたずねてこなかったか?」
「いえ、誰も」
「…そうか」
三蔵はそれを聞くと煙草を出そうとしてやめた
そして疑問に思う
何故誰も来ていない?確かにあの黒ずくめはココに来るはずだ
まさか道に迷ってますなんてのは思いもしない三蔵だった
「コーヒーでよろしかったでしょうか?」
「あぁ。態々すまない」
この家の主人の妻、トキはカップをトレイに乗せ三蔵の前に置いた
自分を入れ3人の分まで注いで来たそれを各自に配り、またキッチンへと戻っていった
置かれたコーヒーを口に含むと香と共に程よい苦さが舌をすべり急いでいた心を落ち着かれるのには十分で
幾分か三蔵の頭を冷やした
「すみません。わし等のせいでさんをあんな目に合わせてしまって…謝って済む問題ではいのはわかっていますが、しかし…」
「別に謝罪を聞きに来たワケじゃない。アレはアイツ自身がやったことだ。本人に言え。
まぁ、アイツに言った所で本人は気にしちゃいねぇだろうがな」
命にも別状は無い
医師によると後遺症も残らないそうだ
そう伝えると先ほどの緊迫した空気が若干和らいだ気がする
きっとこの人達はに対して罪悪感があったのだろう
それをずっと引きずったままで、悔やんでも悔やみきれないといったところだ
「それにしても、貴方銃持ってるなんて…本当に何者なんですか?」
今まで黙って事のなりを聞いていた母親が口を開いた
そういえば己は自己紹介もまだだったことに気がついた三蔵は懐から名詞を出すと主人に渡す
「桃源郷で依頼を受けたから来た」
「貴方がかの有名な三蔵さんでしたか!態々来てくださってありがとうございます」
「え?お父さん依頼したの?何時の間に…」
「リカには話していなかったが桃源郷さんには色々お世話になっていてね。今回も依頼させてもらったんだよ」
「そうだったんだぁ」
己の父親から受け取った名刺をまじまじと観察する子供の母親、リカは三蔵の顔を見る
今までの事を納得したと言わんばかりに頷いた
三蔵にしてはうっとおしいことこの上ないのだが
目線に耐えられなくなった三蔵は事の経緯を、今回の依頼の件で話を聞くことにした
「それが、この前の事件で借金取りが異様に過激になってきてね。終いには娘を差し出せなんて言ってくる始末さね」
「あんたは、あの借金取りのバックについている存在を知っていたか?」
「え?ワシはそんな事聞いたこともない!」
どうやらこの家のものは誰も知らないらしい
三蔵は今わかっている説明すると共に自分の仕事内容も話した
脅迫状を送られ、警察沙汰になった会社と取引をしていたマフィアが危険を察知し潰しにかかっている事
おそらくこの家に湧くマフィア側の借金取りは会社側に知られぬよう取立て続けた
しかし会社を潰す為その行為に専念させている
きっと他の産業に関わる家は既に潰されているか今だ借金を取り立てられていることだろう
「そもそもその『借金』と言うのはなんでなんですか?お金借りた覚えも無いし」
「…多分マフィア側は最初から会社を潰すか乗っ取る気だったんだろう。取引した時点で会社は終わったのも同然だ」
「そんな…!」
三蔵の話を聞いたリカは信じられないという顔で口を押さえている
「私…旦那と結婚して、実家の為に産業に投資しないかって言われたんです」
と言うことはそのリカの旦那もグルだったか、それとも知らなくて善意で言ったのかもしれない
この借金取りに意味も無く取り立てられ始めたのもその頃だ、と主人は言った
それなら辻褄が合うのも納得がいく
全てはリカがその旦那と結婚した時点でこの茶番劇は始まったのだと
「今回俺はそのマフィアを潰すため派遣された。列車で遭遇した黒ずくめの連中も直にココにくるだろう」
「あの怪しい人たちも、マフィア?」
「俺の推測が正しかったらそうなるな。兎に角駆除しなきゃならん」
「じゃあやっと開放されるんですかな」
「俺はやるといったら徹底的にやる。終わったら平和に過ごせるだろう。投資の件も無くなる」
三蔵の言葉にみな、安堵した
口が滑っても『皆殺しにする』なんて言えなくなった三蔵であった
To be continued.
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軍と警察と憲兵は全て一まとめで、それぞれ区別されています。無理矢理な設定でごちゃごちゃしてきました(お前がか)
ちょっとまた三蔵サマの過去にふれましたが詳しいことはまた後程。そればっかですいません
そして多分コレで今回の事件は見えてきたと思います。文才がなくてすみませんねぇ←
じゃあ補足
とリカの旦那が勤める会社は結構大きなマフィアと繋がりがあり、そこの社長とゴットファーザーは取引をしてしまいました
マフィアは会社を乗っ取るつもりで社長と取引を持ちかけ、しかし会社側では警察沙汰になったと聞き、乗っ取りを諦め潰すことに。
リカさんは会社に勤める旦那さんに進められ、実家の農家を産業に取り込まれます(管理人は投資でいいのかわからなくなってきました←)
それをきっかけに最初は乗っ取る気満々だったマフィア側はチョコチョコと陰湿なイジメもとい、借金取立てと言う形で乗っ取る準備をしてきました
なぜ借金取りを装って、どう乗っ取るつもりだったかは深く考えて無いのでスルーしてください(ォィ!)
マフィア側は借金を取り立て続けてきたのですが、『潰す』事になったので会社側の関係者も潰すことにしました。
なので黒ずくめを送り込み、リカさんを奪い何処かにうっぱらってその家も奪って会社を潰す前に金儲けしようと目論んだのです
そこで三蔵サマの登場です。やっと仕事来たんだね←脱ニートか!(しねよ)
これは八戒さんにも言われた通りまず依頼を受けた依頼主の家を守り、其処に群がる借金取り達と偶然遭遇したマフィアさん達を駆除するのです
次回がその話になると思われ。ヒロインの過去がもうどうでも良くなってきました。だって辻褄あわなくなってきたんだもん!(しねよ(←2回目))
そして、依頼が完了したら、すぐさま都会に戻って問題のマフィアを駆除しに行くって言うそんな感じです。
わかっていただけたでしょうか。補足にならない説明ですみません…;確認っていうか自分もごちゃごちゃになってきたので笑