駅のホームに下りるとココには居ない人物を探す…お前は今、何かに脅えていないだろうか
trigger Act:22 不安を胸にいざ君の元へ
も通ったであろう改札を出ると親子は当たり前のように着いて来た
一緒に降りた黒ずくめは駅のベンチでなにやら休憩…もとい話し合いを始めている
そんな彼等を横目に書類に書かれていた番地まで向かう三蔵だがこうも田舎だと目的の場所まで迷ってしまいそうだ
早い話横に居る親子に案内させればいいのだが
「え!じゃあ私の実家と同じ方向なんですね?案内しますよ」
「…そうしてくれると助かる」
三蔵は不器用な感謝の念を述べるとこの母親がこの村の出身だと言うことを実感した
のどかな村
駅員もそうだがこの村の住民は穏健なやからが多いらしい
憲兵も暇を持て余して顔はおだやかだ
都会ではまず考えられないだろう
ゆく先々の住民はそろって挨拶をしてくるけれど三蔵にしては少々うっとおしかったりする
あの天然馬鹿女は律儀に挨拶し返したことだろう、と何処に言ってもの事しか頭に無い三蔵は思った
+++
「では、そろそろおいたましますね。すみませんこんな長々と話してしまって…」
「いいさ。客人なんて滅多にこない家だからね。久し振りに話ができて嬉しいんよ」
「またいつでもきてくださいな」
は仕事の話をし終えると早々に立ち去ろうと席をたった
真剣に話していたのだがこの性格上無駄話に花を咲かせてしまったのだ
本来なら直ぐに終わるはずの話が結構な時間を過ごしてしまった
そんな事を気にする風でもなく夫婦は気さくに返してくれるところがまた良い
居心地のよかった家とソファに後ろ髪を惹かれる思いで玄関に向かう
その時
目の前のドアがけたたましく張り響いた
ドンドンとライオンの形をしたノック用の金具も使わず直接殴っている様な音
それに夫婦は身を縮こまらせる
いまいち状況が理解できないは出ないんですか?なんて呑気に言った
夫婦は質問に答えずを裏口まで引っ張って行き
ワケがわからない夫婦の様子にはなすがままだ
「どうしたんですか?なんか過激なお客さんが来たと思ったら…」
「いいから、君は裏口から早く出るんだ!決して表に回ってはいけないよ?見つからぬうちに早く!!」
ただよらぬ雰囲気の男に促されは裏口のドアを開けて待っている奥さんに向き直る
「ごめんなさいね。こちらの面倒ごとに巻き込んでしまって…はやく貴方だけでも…!」
「はい。いまいちわからないんですがお邪魔しました?」
が疑問詞なのは当然の事だろう
いきなりドアが叩かれたと思ったら裏口から出るよう言われたのだ
しかも何もしないのに謝っている
これは何かあるのかもしれない、とは思ったが夫婦の異常なまでの慌てように従うしかなかった
「やつ等に、見つかる前に…早く!」
「でも…」
「いいから早くオイ来なさいな!」
は渋ったが最終的に追い出さす様な口ぶりに意を決めた
が、しかし
「逃げようってったってそうはいかないぜ?」
開け放っていたドアの向こうにいかにも、な雰囲気の男が立っていた
片手には黒光りする拳銃
どうやら過激な訪問者の1部であるようだ
堅気には見えない男に夫婦は顔面蒼白
遅かったか、とうなだれた
「あの〜」
そんな空気をもろともしない(気付かない)は目の前に立つ男に言った
「あぁ?てめぇ誰だ?もしかしてここの娘かオラ」
「イヤ、私は会社から言われて来た者ですけど、ドアはもっと静かにノックしたほうがいいですよ?不躾ですね」
場違いとはこの事を言う
突拍子も無いの言葉にその場は凍りついた
男はと言うとワナワナと拳銃を握り締める拳が震えている
どうやら煽ってしまったようで今にも乱射しそうだ
そんな男の様子に悪気は無いだが何か察知したらしい
夫婦を庇うように前に出た
「貴方は誰ですか」
今更だな
「俺はこいつ等に用があるんだ。死にたくなかったらそこをどきなお嬢ちゃん」
「じゃあその銃を降ろしてください。話し合いは穏便にいきましょう」
「てめぇこの銃が本物だとわかってんだな。どんな人生歩んでんだコラ」
「それはもう壮絶なものですよ。銃持ってる人ならお隣さんにいますし…それに自慢の彼氏です!!」
「・・・」
もう返ろうかな
そんな気にしてしまうの発言に男もたじたじである
最初に関係ない話を持ち出したのは彼なのだが、仕方ないっちゃ仕方ない
この天然娘を相手にしてしまったら最後である
戦意喪失してしまいそうになるこの男が哀れでしかたない
そんな事はさておき
いまだ本物の銃を構えている男
それに向き合うように佇む女
穏便な話し合いは出来そうに無いようだ
「いいからさん!あんたはお逃げなさい!!」
夫婦の片割れ夫がこの業況に耐えられなくなったのか声を荒げる
妻を守るようにして抱きかかえて前に立つに言う
しばしの睨み合いをしていたと男はその声に正気に戻ると男の方が動いた
「さん!!」
ガツン、と言う音と共には銃のグリップで米神を殴られ床に倒れた
ドサリと音を立てその場に床と対面したは頭から流れ出る血に眼を丸くする
それを固唾を呑んでみていた夫婦は駆け寄ると応急処置のため己の状況さえも忘れ必死に止血した
それを面白くないとばかりにを殴った張本人、堅気ではない男は夫の身体を蹴り上げ言う
「てめぇらなめてんじゃねぇぞコラ。さっさと金払えってんだよ!その女は転がしとけ!!」
「ぐ…っ!あんた、この子は関係ないだろ!」
「るっせぇ!生意気な事言いやがって…強硬手段に出てもいいんだぜ?」
カチャリ
男はリボルバー式で黒光りする銃のファイアリング・ピンに手をかけると引き金に指を回す
撃たれるのだろうか
ニタリと笑う男は一層ニヤケ面を濃くすると指に力を込める
「ま、まってk」
ガウンッガウンッ!!
鳴り響いた銃声
瞬く間に床に崩れ落ちる男
その片手には銃がなかった
「目障りだ。失せろ」
は気を失う瞬間
日の光を浴びてそれがまるで後光のように光る金色を見た
To be continued.
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ATOGAKI
ヒロインちゃん怪我させてばっかりでごめんなさいと最初に謝っておく(手遅れです)
そして最後が前と似たような終わり方になってしまった…!やっぱりココは、ねっ!←。登場シーンの台詞なっとくいかないけど!←
ちょっと駆けつけるのが遅くなったのは表玄関に居た堅気に見えない集団を一掃していたため、なんて言い訳言っておきます。金髪の変わりに笑
みなさまお気付きでしょうか銃声の音を微妙に分けています。ま、金髪はあの音じゃなきゃね!
そんなこんなで、また怪我を負ってしまったヒロインですが血に微妙に反応を示しているようです。それは過去と何かが?
そんな大層なもんじゃないんですが天然ぶりを発揮する彼女にはなんらかがあると思われます。前々回の前振りとリンクして。
そんなわけで次回。まだ続きます!
↑そんなが続きました(笑って殴って☆)