過去を克服できる人は世界でどのくらい居るのでしょうか…私はまだ引きずっているまま時は過ぎるばかりです
trigger Act:20 なんくるないさー
1時間ほど経った頃だろうか
はやっと目的地にたどり着いたのである
あのあと呑気に散歩気分を満喫したは人に尋ねると言うことに気がつき心優しい老人に案内してもらったところだった
ありがとうございました、と丁寧に御礼をし今回の本題の家の前だ
家は木作りで出来ておりレトロで別荘のような建物だった
ドアに施されたライオン型のノック用の金具をコンコンと叩くと直ぐ家の主が出て
人相は人当たりの良い雰囲気なのだがどこか脅えているように顔を引き攣らせている感じだ
しかしが素性を述べると快く通してくれた
「いやぁ態々こんな田舎に足を運んでもらって悪いね」
「仕事ですから気にしないでください。それに羽を伸ばすにはもってこいですよ」
「そうかね。飲み物は紅茶でいいかい?妻の入れる紅茶は絶品なんだ」
「ありがとうございます」
通されたリビングに着くと毛皮で作られた座り心地の良いソファに案内された
見た目通り気持ちよくこのまま寝ても体が痛くならなそうだ
そんな場違いな事を考えていたの元にいい香りが鼻腔を擽る
香の発信源はこれまた人当たりのよさげないい年の奥さんが持つトレーからだった
乗せられたティーカップからは入れたてよろしくな湯気が立ちのぼり乾いた喉が悲鳴を上げるほどだ
砂糖を入れ飲んでみると香に比例しておいしくどこかアットフォームな気分にする
入れた本人はとてもいい人なのだとお袋の味な紅茶が教えてくれた
「どうだい?」
「とってもおいしいです!」
「そう言ってもらえると嬉しいわ」
ホンワカした雰囲気に大自然を満喫した身体が疲れを取ってくれるようで
何泊かしようかな、なんて無粋な考えが脳裏をよぎるであった
「すいません。なんだかリラックスしてしまって。今回は会社の件で窺ったのですが…」
ドア口にも言った様に本題を持ちかける
忘れる所だったと言うのは黙っておこう
「まぁ、ワシ等はいつも通り不都合はないさ。作業も順調に進んでいるよ。生産のほうも毎年変わらず献上できそうさね」
「そうですか。ではいくつか書類を持ってきたので目を通してもらいたいんですが…」
先ほどまでのマヌケ面はどうした、なの様子に夫婦も真剣になって答えてくれた
聞く限り本当に何事も無いようで心配はなさそうだ
とある事を抜かして、だが
「さーて、今回はどんなことをしでかしてくれるのか…あの無愛想男は」
「菩薩。また部下で遊ぶ気ですか?いい加減その癖もなおしたほうが…」
「んだよ次郎。いいじゃねぇか。俺の楽しみなんだからよ」
「そういいますが菩薩…」
「まぁ兎に角今回の事件は簡単にはいかねぇだろうから、俺様も人肌脱ぐか」
「大丈夫なのでしょうかあ奴等は。今回ばかりはあのマフィア相手など…ただでは済みませんぞ」
「はっ!あいつ等にとってはどうってことねぇさ。なんてったって愛の力があるからな」
「愛…ですと。あの三蔵もとうとう女に落ちましたと聞きましたが本当だったとは」
「それも面白い事に変わりはねェな。ククっ…コレからどうなることやら」
「何事もなければいいのですが」
「大丈夫だろ?馬鹿だからな」
「ごもっともです」
『桃源郷』と書かれた看板を掲げた建物の最上階
そこの主勧善音菩薩とその秘書次郎が密かに話している
表も裏も何でも屋まがいな仕事を受け持つその本社は依頼を受ければ常識の範囲内で仕事をする
各自スペシャリストがそろった会社だ
時には探偵もどき、時には表では口に出来ないことも数少なくは無い
依頼内容はほぼ八戒に任せており、あののほほんとした男もここには居る
誰もが知る桃源郷と呼ばれる会社
仕事内容から人助けみたいなことをやってのけるその組織は多くの人に知れ渡って今では知らない者は居ないとまで言われていた
それを1代で作り上げた勧善音菩薩は当然のように社長椅子に腰掛けている
全ては信頼できる部下のお陰か
はたまたただ楽しんでいるだけなのかは、神のみぞしる
To be continued.
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ATOGAKI
大まかなものはこれでわかったとあきらかになったと思います。あとは追々話の進行上での説明になっちゃうと思われ。
会社の名前をどうしようかと悩んだんですけど、人助けまがいな事をする、いわゆる桃源郷をつくるみたいな(そんな大げさなものじゃないけれど)
そんな感じでそのまま採用しました笑。人数は比較的少なく、のほほんとした男と言うのは皆さんもご存知あのお方です
やっぱりみんな居ないと嫌だからだしちゃいました☆正体は後程明らかになります!次郎神は『次郎』だけにしときました。あしからず
仕事内容とかはなんでもいいので、色々ご想像にお任せします。ホント自由な管理人です←