朝、ニュースで連続殺人犯が逮捕されたとアナウンサーが言っていて昨日の事は現実だったんだと一気に眼が覚めた
















   trigger  Act:2 それは唐突に



















「っ…!!」


眼が覚めてはガバリと起き上がった

荒い呼吸を沈めようと何度も呼吸を繰り返し頭を抱えるように、外的から身を守るように縮こまる

頭の中で昨夜の事がフラッシュバックされ恐怖が襲い掛かってきた

怖い

ソレだけが脳内を埋めつくされ涙がこみ上げて来そうになる



「起きたのか」



不意に掛けられた言葉

その声に吃驚しては顔を上げた


其処には昨日意識が無くなる前に見た金色が朝日によってキラキラと輝いてまるで神の様で

細められた紫の瞳がやけに綺麗だった


「わ、私…あの」

「昨日テメェはぶっ倒れたんだ。仕方ねぇから俺の家に連れて帰ってきたんだよ」


そう言われて初めて気がついたようには周りを見渡す

眼に映るものは全て見知らぬもので、ココが本当に自分の家じゃないことがようやく理解できたようだ

ぐるぐると頭が回る

昨日の事、現在自分の身に起こっている事、今の現状

全てを処理し終え慌てて目の前の金髪に向き直った


「す、すいません!昨日は助けて貰ったにも関わらずお邪魔までして…」

「気にするな。礼は朝食でいい」

「え?それだけでいいんですか…?」

「何度も言わせるな」

「っはい!」













一体自分は何をやっているんだろうか

は綺麗なキッチンで卵焼きを焼きながら今更考えた

あの人、さっき聞いたら三蔵と名乗った男

わからない

こんな見ず知らずの女を泊めてくれてしかも礼はたったコレ(朝食作り)だけ

きっと親切な人なんだな、とどこか抜けている答えを導き出しただった…



「あの、できました。味は自信ないんですが…」

「…あぁ別にいい」


言われた朝食が出来上がるとはソファに座る部屋の主に声を掛けた

三蔵は新聞を広げ眼鏡をかけて活字を追っていた

その姿がとても絵になるな、とは思った

朝食が食べ終わり暫くするとコーヒー片手に三蔵はまた新聞に眼を戻す

そして一言



「悪くは無い」



だそうだ

コレはが淹れたコーヒーに対してなのか先ほどの朝食に対してなのか分からなかったが自然と頬が緩まるのを感じた

気がつけば涙が流れていた

ココに来て始めての笑顔と涙を見た三蔵はの頭に手を置き撫ぜた

「あ、ありがと、ござっ…いまし、た…」

「あぁ…。大丈夫だから安心しろ、」

その暖かな声と優しい手と、柔らかい視線に涙が一層こみ上げてきただった



そうだ

自分は怖かったのだ

だけど眼が覚めた時は金色と暗紫に驚きワケもわからず朝食を作って

でも終わったとき暖かな雰囲気に気が緩み涙してしまったのだ


この名前しか分からない正体不明の男の傍がとても安心できた













To be continued.













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ATOGAKI
…三蔵をこんなに優しくするつもりは無かった…反省はしていない

そんなわけで第2話をお送りしました!キャッホー!←
これからどんな展開になるのか…相変わらず無計画で行きますうましかな管理人です
けれどどうぞお付き合いください…!ありがとうございました
photo by 10minutes+様