度胸があると言うか肝が据わっていると言うか…まぁあまり考えていないんだろうけど心配なものは心配なのだ
trigger Act:18
この国は基本治安が悪い
憲兵など所忙しく居るようだがちゃんと公務を全うしてるかも怪しい所だ
現に数ヶ月前の連続殺人事件だって1ヶ月も野放し状態だった
お陰で大切な存在に巡り合えたのだけれどもそれも紙一重の所
彼が偶然居合わせなければどうなっていたか
そんな国家の尻拭いに三蔵は態々この街まで来た
所属する本部と割と近い位置にあるし―別に通勤するワケでもないが―生活に不自由は無い
むしろ喜ばしい偶然が重なって今、彼は満足していた
主にレンガ造りによって構成されるこの街が、世の中の混沌とした世界から離れているようにも感じる
都心からいくらか離れたマンションに住む三蔵とはお互い愛を深め今穏やかな雰囲気の中コーヒーを飲んでいた
「あのね、三蔵?今晩はどうする?」
「買い足しは済んでるんだろう?俺はなんでもいい」
「ムー。ソレが1番困るんだって知らないでしょ?」
「…が作ったものなら何でも食べられる」
「えへへ〜。じゃあ腕によりをかけて作っちゃおーっと!」
パタパタと可愛らしい足音でキッチンへと向かう愛しい彼女に自然と己の心も穏やかになる
三蔵が座っているのは暫し広い庭
そこには丸いシンプルなデザインの机と同じデザイン調の椅子2つ
軽く出っ張った屋根の下に日差しを避けるように設けられたその空間はとても平和的で
爽やかな風とコーヒーの香が鼻腔を擽る
隣の部屋にも同じような庭があり、今は仕切りを取り去ってあって広い庭は一層広さを増していた
木に囲まれたマンションは街の喧騒を遮断して空気も清んでいる
このマンションは一階建てで部屋は数部屋
入り口を通ると長い廊下がありヨーロピアンなつくりだった
管理人は全財産をかけて作ったと入居する時に長々と自慢話を聞かされたのはいつだったか
人当たりの良い髭面の男を思い浮かべちゃんと儲かっているのか、と苦笑を零す
清潔な建物は1部屋1部屋が大きく見た目と同じどこか穏和な印象を与えた
其処が気に入って2人は入居したのだと言う
三蔵は外装も内装も気に入っていたしはそれとは別に懐の優しい家賃にも惹かれた
これは偶然なのか運命なのか
入居は三蔵が遅かったがどうしても偶然だと思えない
運命、否必然だったと言うべきか
今まで信じても居ない言葉が出てきたことに彼は一層驚きを隠せないのであった
「さーんぞっ!」
「っ…どうした?」
いきなりが背中に抱きついてきた
余程気を抜いていたのだろう三蔵は少し驚くと共にその愛しい存在を確かめる
「なんか、眠くなって来たね…お昼寝しようよー」
「飯の仕度はいいのか?」
「まだ時間があるから、いいかな〜っと思ってね!」
首に回されたぬくもりと背中に感じる柔らかい感触、程よい重さに三蔵も眠気が襲ってきた
このまま寝てしまおうか
三蔵はの身体を離すと今度はその愛しい存在を抱き上げ部屋に入っていくのであった
午後の陽気に誘われ2人は深い眠りに落ちてゆく
To be continued.
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ATOGAKI
はい。甘で今回は攻めてみました(といっても少ないですが)
それとこの物語の世界観の確認。今更設定です
英国風のこの世界。ヒロインは見た目日本人です。でも日本とか関係無く完全オリジナルパラレルな世界。そんな感じ
料理がイタリアンだったのもこのためです。本当は味噌汁とか出したいと思う今日この頃。←
憲兵とか軍とか警察とか。ばらばらな時代に位置する組織とかだしまくり笑
感じ的には切り裂きジャック時代のロンドン風現代みたいなまたわけのわからないことを…w
少しでもわかってくれたらこれ幸いっす。あと、マンションは文中で行ったとおりヨーロピアンな雰囲気(お国関係ないとか言って出しちゃってるところが味噌←)
室内はまた機会があれば書きたいと思います
では。こんな趣味丸出ししかもわかりにくい物語ですがこれからもよろしくおねがいします!
photo by 戦場に猫 様