別になにか予感したわけでも己で望んだことでもない…かと言って不満なんて無かったと思う。コレが当たり前の事なのだと
trigger Act:15
ドサリ
その何かが落とされたような音は周りの喧騒までも消し去るような感覚がした
全ての五感は全て目の前で崩れ落ちた彼女へと向ける
まるで全てがスローモーションの如く
ゆっくりと回る景色に
三蔵は動けなかった
「っ!!」
搾り出すように発せられた声はとても滑稽で
いかに冷静さを欠けていると言うことが明らか
それでも
着いてゆけない頭をフル回転し三蔵は愛おしい存在を確かめるように揺さぶる
嘘だ
嘘だ
が
撃たれた…?
「痛たたた…ん?どうしたの三蔵…そんな血相変えて、何かあった?」
…撃たれた?
「おまっ…!だ、大丈夫なの、か…?」
え?何?マジで? な三蔵は恐る恐る安否を確認した
「うん。全然平気だよー?なんか三蔵変だね。私がこけるのはいつもの事じゃん!」
豆鉄砲を食らった鳩の様な三蔵に彼女は満面の笑顔つきで言い放った
「はぁ〜〜………そうかよ…」
目の前で崩れ落ちたと思った存在は、ただこけただけで撃たれた跡など何処にもなかった
まぁ良く見れば顔面から床にダイブした体制なのだが
それよりも銃弾の音ばかりに気を取られ早とちったと言うことになる
…ちょっと自身が恥ずかしくなった三蔵であった
それにしても紛らわしい事この上ない
銃声と共にこけなくても…何処までお転婆なんだは
三蔵の頭の中からは『銃声に吃驚してこけた』などと言う可愛らしい考えは無い
ただこけただけと言うのはその通りなのだからも反発しようの無い事だった
一気に脱力した三蔵はを共に床に座り込む自身の両足の間に引き込んだ
そして腕の中に居る彼女の肩に頭を乗せもう一度、大きく息を吐く
兎に角、この大切な存在が何事も無くて良かったと三蔵は安堵の表情を浮かべた
はわけが分からない三蔵の様子に?を浮かべたが深く考えず肩にかかる丁度良い重量感に満面の笑みを漏らす
首元にサラサラと触れるくすぐったい髪の毛に指を絡ませて撫ぜたのであった
そんな2人のラブラブっぷりの様子を物陰で見ている人物が2人
「オイオイ、見たかよアイツのあんな表情…」
「うげーっ俺今日寝れねェかも…」
「だよなぁー。どういう風の吹き回しって言うかなんと言うか」
1人は長身の男
もう1人は小柄の少年
どうやらあのバカップルを知っているような口調だ
「アレが噂の彼女?」
「だうろうな…それにしても可愛いな〜俺が貰っちゃおうかな」
それにしても何者だろうか
こんな時に、まるで事件が起きるのを予測していたみたいに突然現れた2人
ちなみに言うと犯人は拳銃で人々を震え上がらせている真っ最中だ
そしてそんな状況に眼もくれない三蔵と
ソレを盗み見る謎の男2人
「このエロガッパ!アイツに殺されるぞ!」
「エロガッパ言うなこの馬鹿猿!!」
河童やら猿やら言い合っているのは兄弟のように微笑ましく…?
「んだとぉ!このエロエロエロエロエロエロ」
「あぁん!?この馬鹿猿馬鹿猿馬鹿猿馬鹿猿馬鹿猿馬鹿猿」
「馬鹿猿言うな!!」
だんだんとエスカレートしていく口喧嘩に暫くして犯人に見つかるのはもう少し後の事である
To be continued.
MENU
ATOGAKI
きっとこの事件は残り2人を出すための布石みたいなものなんだよ!きっとそうだよ!
この2人出番終わったら即出なくなること確実である…笑。八戒は結構出したいキャラです
かといってお馬鹿2人出したくないってワケでもなく出したら出したらで書くのめんどくさくなるんですよね!ごめんね2人とも!
ってなワケで、こんなオチだと思ってたよ!な展開どうでしたでしょうか…ホントギャグなのかそうじゃないのかわからんww