貴方のその輝かしい金色と、優しく眼を細める暗紫の瞳を見たら我慢していたわけでも無い涙が自然に流れた
trigger Act:10 金髪の救世主、なんてのは柄じゃねェ
「大丈夫ですよ?もう彼が来ましたから」
そんな八戒の言葉と同時に銃声が鳴ったと思ったら目の前の窓ガラスが大きな音を立てて割れた
アクション映画よろしくの登場の仕方に一瞬何が起こったのかわからなかった
笑顔を携えた男の後ろからキラキラと輝く金色
漆黒のコートがマントのようで
腕で隠された顔を見てはこれ程に無く安心した
そしてガラスの破片と共に華麗に着地した人物とは
「さ、三蔵っ…!?」
午後の日差しを浴びて輝く金髪が後光の光のようでヒーローを見た
そして静かに立つと暗紫の瞳と眼が合った
はまた眼が覚めた時同様、神の様だと思ってこみ上げてくる涙を抑えられない
見つめる瞳はまるで安心しろ、と言うように柔らかく細められた
「だ、誰だてめぇ!!」
その場にいた全員は三蔵の登場と共に呆気に取られていたが犯人の声で意識を引き戻された
空気がガラリと変わりまるでアクション映画を見ている様だ
三蔵の傍らに立つ八戒が呑気にカッコイイですねーなんて言っていたが三蔵にジロリと一睨みされる
それでも八戒はなんてこと無いように笑顔を崩さない
慣れているのか、まるで気にした風も無く終いには「さっさと片付けちゃってください」なんて抜かす程だ
三蔵のほうはと言うと目の前にナイフを突きつけられている様を見て一気に怒りを露にする
「貴様…殺す。今すぐ殺す」
発せられた言葉は犯人も何度か口にしていたがこの金髪の男が言うと比べ物にならないくらい怖かった
目が本気と書いてマジで言っている
社員達は助けに来てくれたんだと理解していてもまた恐怖に駆られてしまうのだった
「三蔵。駄目ですよ?みんな怖がってます」
「チッ…。、目を閉じてろ」
「え?あ、うん!」
を抱いていると言う憤りを抑えられず、三蔵はが目を瞑ると同時に片手に持った小銃を数発打ち込んだ
ガウンッガウンッ!!!
轟く銃声
その場にいた八戒除く全員は聞いた事も無い大きな音に身を縮こまらせた
反対には聴いた事ある音に安心感が込みあげてくる
この音に2度も助けられたのだと心が暖かくなった
そしての拘束が解かれ直ぐ後ろからはドサリと倒れた音
ソレと同時に全身が暖かい腕に閉じ込められる感覚
腕の正体は三蔵で
その三蔵の背中には腕を回した
「馬鹿が…」
小さく吐かれた言葉は乱雑だったけど反対に声色は優しくて
は一気にくる安心感に身を沈めた
「オイ八戒。後始末は任せたぞ」
腕の中で眠る愛しい存在を強く抱きしめ三蔵は八戒に言った
「お任せください。後は僕だけで十分ですからさんを早くお持ち帰りしてあげてくださいね」
意味ありげな八戒の言葉に小さく舌打ちした三蔵はを抱えて出て行った
そして残された八戒とその他社員
今まで一部始終を見ていたエリが唐突に八戒に向けて言葉を紡いだ
「八戒さん…貴方は、一体…?」
その質問に待ってましたといわんばかりに笑顔を深め八戒は答えた
「秘密の諜報員、みたいなものですかね」
その場の空気がより一層謎に包まれることになるのだった…
To be continued.
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ATOGAKI
三蔵サマようやく参上!←
そして引き伸ばした割には展開が速すぎたような気がしますあっははは
八戒が言った諜報員とはちょっと違うのですがなんかSATみたい…ですね笑。全然違うんですがっ!
そんなこんなで次回に続く^^^
photo by 空色地図 -sorairo no chizu-様