真っ暗な世界で私は 月明かりに照らされる金色を見た




























   trigger  Act:1 囚われた瞳





























暗い夜道

辺りは静寂に包まれその静けさには歩く速度を速めた

この路地を行けば自宅に着く

ソレだけを考え1歩1歩早足で進んだ

別に早く帰りたいとか疲れを癒したいと言うわけではない

原因は最近巷で噂になっている事件だった

”夜、女性だけを狙う殺人事件”

始まりは1ヶ月前

1人目の被害者が朝方になって首を無残にも斬られ死んでいるところを発見されてからだ

それから毎日のように続く殺人事件

犯人の招正体は未だ不明とされており連日ニュースで取り上げられている

死因はいづれも首を斬られておりそれ以外は外傷は無いとの事

それぞれの評論家からは遊快犯とか色々言われているが真実はわからないのが現状

この前はの自宅付近で行われたと聞いた

今日に限って…そんな不安が脳裏を過ぎる

と、その時




「ねぇお姉さん。こんな所で、何してるの?」





悪寒が走った

気配も何もなく右肩を掴まれたのだ

声は気持ち悪いぐらいに高く、まるで全身を舐められているような錯覚に陥る程

怖い

怖くて声も出ない

はガクガクと震える足を何とか踏ん張る

そして後ろの正体不明の声の原因は肩に手を置きながらの前に来た

目の前に現れた声の正体に眼を見開く

全身真っ黒の服を着て、帽子を深く被り微かに見える口元は歪められていた

体格からして男、だと判別できるその人物は下唇を舐める



「あ、…貴方は、誰?」



声を振り絞りはその人に疑問を投げかける

きっとこの質問はしない方がよかったかもしれない、と言ってから後悔した



「僕?僕は 殺人鬼 さ」




男の不快な声と同時に煌めく銀色

ソレがナイフだと気付いた時には既に掲げられた後だった

殺される

そう理解した時は眼を瞑った




ガウンッ!ガウンッ!!





意識を失いそうになった時呼び覚ましたのは2発の銃声

首直前まで来ていたナイフは宙を舞い目の前の男は崩れ落ちた

何が起きたのか、ソレさえもわからない

思考がついて行けない脳で助かった、とだけ理解した


そして

路地の向こう側に見た

月の光に照らされる眩いばかりの金色を

その瞬間 の瞳は暗紫の瞳に囚われた














To be continued.










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ATOGAKI

やっちまいました三蔵サマ連載。今回もパラレル一直線で行きます
そして設定はあまり深く考えていないので意味不明です。あっはは←
まぁ追々わかってくると思いますのでどうぞお付き合いください!
タイトルは三蔵サマのキャラソンから。だって思いつかなかったんだもん!
photo by 空色地図 -sorairo no chizu-様