空高く昇った月の瞬き
月光に照らされる眩しいほどの金糸
紫煙がその形の良い唇から吐き出され、暗紫の瞳は私を貫く
骨ばった指は煙草を挟み、ベットの横にダラリと降ろされた
「寝煙草は駄目よ?」
「…うるせぇ」
「火事になっても知らないんだから」
情事後の布団の中
仰向けに寝転がる貴方と横向きの私
余韻に浸りながら意識は遠くに行きそうだ
「早く寝ろ。その気になるぞ」
「相も変わらず元気ね」
「…そんなにヤりてぇか」
それは勘弁してくださーい、と布団を頭の上まですっぽり被り
私はあの月の光に照らされた金糸がまぶたに焼き付いていることを知った
布団の中は暗い、でも明るい
当分寝れそうに無いので顔を出した
隣の男はまだ煙草をふかしている
目線は窓の外へと注がれていた
私が顔を出したことは気付いている、けど興味が無いのか、ただめんどくさいだけなのか反応は無い
少しくらい構ってくれても…。
でも奴の『構う』はきっと、否、絶対あっちの方になりそうなので口に出すことをやめた
短くなった煙草を灰皿に押し付け、隣の男はこっちに寝返りをうつ
仰向けだった身体が私のほうに向いた
これは奴が寝ると言う合図で、私の方に向いて寝てくれると言うことがとても嬉しい
腰を抱き寄せその手は頭の後ろへ
そして眠そうな低い声で言う
「寝るぞ」
擦り寄る私を強く強く抱きしめ、まるで何かから守ってくれるような
そんな腕が、貴方が、好きなのです
「おやすみなさい。三蔵」
「…あぁ」
返事は素っ気無いけど軽く触れるキスをくれるから私は満足
目を瞑ってからほんの僅かで寝息が聞こえる
そんな貴方に毎日お仕事お疲れ様です、とココロの中で呟いた
明日も元気に出勤してください、お弁当は何にしようかな
暖かい腕に抱かれ私も眠りに着く
貴方と愛し合えた今までと、愛し合うこれからを思い浮かべて
そんなひとときが、だいすきなのです
(もちろん貴方も居なきゃ成り立たない)
***
ウフフな後の一時(ォィ)
抱かれながら寝るって…いいですよねぇ…(鼻血)←
ギュッと、離すまいとしてくれる。そんな三蔵サマ。
photo:空色地図−sorairotizu−様