うららかな春の日差しが室内を優しく照らす昼時。

心地よい空間に身を委ね、ぽかぽかとあたたかな少し大きめのソファの上に少女は眠っていた。

室内は至って無音で庭先から聞こえてくる小鳥のさえずりが子守唄がわりだ。

身近には1人の男が座っているのだがそちらもうとうとし始めた頃、少女はまだ眠たげに瞼を開けた。



「ん……ぱぱぁ…?」


「…起きたのか」



むくりと起き上がると直ぐ傍に居る存在に安堵し顔をほころばせた。

呼ばれた男は少女の声に眠りそうだった意識を引き戻され、振り返る。



「お、はよう…ございまぁす」


「何時だと思ってやがんだ。この馬鹿娘」



見当違いの挨拶だが、男は言葉と裏腹に優しく言い聞かす。

まだ思考が回りきっていない少女は頭にはてなマークを浮かべ首を傾げた。

そんな愛らしい仕草をする少女の頭を撫でてやると、男は自分でも気付かないうちに顔の筋肉が緩んだ。



「ぱぱ、おなかすいたー」


「猿じゃあるまいし…起きて早々飯かよ」


「だってね。さっき、ぱぱとごはん食べるゆめをみたのー」


「そうかよ…。待ってろ、今すぐ用意してやるから」


「おむらいす だべたい!」


「あぁ」



重い腰を上げキッチンに姿を消す『ぱぱ』と呼ばれた男は手馴れた手つきで注文の料理を作る。

一方、居間に残された少女は先ほどとは打って変わって意気揚々と大好物が目の前に来るのを待った。


そして数分後。

作りたて特有の湯気が立つオムライスを持った男が居間に戻ってきた。

エプロンとまではいかないが片手にトレイを持った姿は少々この男には不釣合いだったりする。

それでも茶化す相手は居ないためそのまま昼食を取ることになった。

ちょこんと机の前に正座した少女は目の前に広がる料理に釘付けだ。

瞳を輝かせ待ちきれ無いといった様子の少女に男はまた、頬が緩む。

さっそく両手を合わせ、ごあいさつ。



「いただきまぁす!」


「ゆっくり、咬んで食え」


「んーおいしぃー!ぱぱの作ったおむらいすだいすきー」


「…そうかよ」



言いつけどおりにもぐもぐと良く咬んで食べる姿は誰から見ても愛らしい。

おぼつかない手でスプーンを持つのは少々目が離せないが、じきに慣れてくるだろう。

男も可愛い少女に『大好き』と言われ照れくさくなったが己の分のオムライスに手をつけた。


我ながらにいい出来だ。と自画自賛する男、金髪で名を三蔵。

その目の前でおいしそうにオムライスを頬張る少女、見た目5歳で名を。

とあるきっかけで一緒に暮らす事になった関係だが、それでも仲良くやっている様だ。

最初こそ手間取ったりした三蔵。でもどんどん慣れていくうちに大事な存在になった。

は強面な三蔵を怖がらず、人見知りしない正確なのか最初から懐いた。

世話はそれ程掛からなく、が元からきちんとしている為馴染むのは時間の問題で。



「ごちそうさまでしたぁ」


「あぁ」


「ねぇぱぱー、おひるねしようよー」


「お前はさっき寝てただろうが」


「ぱぱといっしょがいーい」


「はぁ…。ったくしょうがねぇな」


「ぱぱだいすきー!」



食器を片付けるとは先ほどのソファではなく、ふわふわのカーペットの上に寝転がった。

お気に入りの人形を片手にもう、うとうとしてきている様だ。

三蔵も隣に寝転がると腕枕をしてやり、2人仲良くお昼寝である。



「食って直ぐ寝ると牛になるぞ、」


「ぱぱもねー」


「生意気なガキだなオイ」



くすくすと笑うはそのまま三蔵に抱きつき、本格的に寝に入った。

そんな可愛らしいに腕を回し抱き寄せるとなんだか眠くなってくるのは何故だろうか。

午後の陽気に誘われ、腕の中に小さな存在を確認し三蔵は既に眠っている少女の後を追うように意識を手放した。



「おやすみなさぁい」


「あぁ…」



最後にこんな会話をしたのかさえおぼろげだ。











いとうつくしき

                                                (おなじゆめをみれたら しあわせ)









ATOGAKI
ついに手を出してしまったロリコry三蔵サマでーす←
ほのぼのーを目指しながら執筆してたら背中ら辺がむず痒くなってきた笑。幼児いいよ幼児。大好物だよマジで(もうお前しねよぶち壊しだよ)
シリーズ化でもしようかなぁとか考えてますです。しかし、他のサイトさんと被りまくり。今更ですが。気が向いたら〜て事で。
ちなみにヒロインは三蔵サマの事を『ぱぱ』と呼んでいますが実際は血は繋がっていません。そこら辺はまぁノリで、す←

お題配布元 : 構成物質 様