「来るな、と言ったはずだ」


「…だって三蔵の生声聞きたかったんだもの」


「家に帰ったら嫌でも聞けるだろうが」


「家では歌ってくれないわ」


「誰が歌うか」


「私は聞きたかったのよ」


「チッ……仕方ねェな」


「わーい!三蔵サマの生声〜♪」


「少しは黙ってられねぇのか」


「アレ?これってライブでしょ?盛り上がらなくてどうするのさ?」


「目障りなんだよ!」


「良いじゃない。私は後ろの方で観覧するつもりだし」


「…何言ってやがる。テメェは特別席だ」


「え?良いわよ」


「…何故だ」


「だって私は三蔵の生声だけ聞ければ後はどうでもいいの」


「ハァ…変な野郎に絡まれたらどうするつもりだよ」


「アンタの眼は節穴?どこをどう見て野郎なんか居るのよ。全員カッコイイアンタ等のファンの女の子達よ?」


「それがどうした。今日に限って野郎が来るかも知れねぇだろ」


「そんなの屁理屈よ」


「うるせぇ。いいからテメェは特別席だ」


「嫌よ」


「駄目だ」


「嫌だってば」


「駄目だって言ったら駄目だ」


「嫌だって言ってるでしょ!」


「駄目だと言ってるだろうが!!」


「何でよ!!何処で見ようが私の好きじゃない!」


「…テメェは約束破ってココまで来たんだ。逆らうようなら強硬手段に出ても良いんだぞ?」


「彼女に向かって何よ…ハゲ」


「ハゲてねぇ…」


「良いよ。私が折れてあげるわ。で?その特別席って何処なのよ?」


「テメェ良い度胸してんじゃねぇか…」


「フン!か弱い乙女の些細な反抗よ」


「何処がか弱いんだ。じゃじゃ馬め」


「もう良い!帰るんだから!」


「…待て。(?なんで俺は引き止めてんだ?)」


「何よ。(?なんで私は引き止められてるのかしら?)」


「……最前列だ。それ以上でもそれ以下でも許さん」


「意味分からないわ」


「チッ…だからテメェが見る場所だって言ってんだろうが!」


「良いの?」


「フン…そこら辺の女より少しはマシだ」


「素直じゃないなぁ」


「そういうお前はそのニヤケた顔をどうにかしやがれ」


「失礼しちゃうわーハゲチョビン」


「…それ以上言ったら殺す」


「鬼畜生臭坊主…」


「…今夜は覚悟しとけよ」


「―!(なんてこったい!)」


「ま、兎に角早く席に着け。作ってやっから」


「うん?(作る?)…って何コノ取って着けた様な最前列!」


「だからテメェは特別席だって言ってんだろ」


「イヤイヤイヤ、コレは明らかおかしいから。何、本物の最前列の前にパイプ椅子置いただけじゃない!!」


「あぁ?俺が作った席に文句でもあるのか?」


「あっ……無いです(眼力怖)!!」


「強制送還されないだけマシに思え」


「ういっす。(私は引き止められたんですけど、覚えてますかハゲ)」


「1人か?」


「え?何で?」


「こんな所まで1人で来やがったんじゃねぇだろうな?」


「違うよ!友達、悟空の彼女も一緒!(不器用なんだから)」


「だったら椅子もう1個追加か」


「そうだね!私1人あそこの席は嫌だもの!」


「文句ばっかいってんじゃねぇ」


「でも三蔵は優しいから聞いてくれるもんね?」


「チッ…良いから友達連れてさっさと席に座っとけ」


「うん!」
















「何コノ席!最高じゃない!!」


「でしょ?三蔵が態々作ってくれたの!」


「さすが三蔵サマ。(やること過激だわ)…あ、私悟空にお弁当(重箱)持っていかなくちゃ」


「…さすが悟空(胃袋過激だわ)」


「つくりがいがあるってもんよ」


「(なんだか嬉しそう…)早く言ってあげな?始まっちゃうよー」


「直ぐ戻ってくるから!」





















「あれ?三蔵。彼女さん、来ているんですか?」


「来るなと言ったんだがな」


「さすが三蔵の彼女だけありますね(そっくりですよ)」


「あらー?三蔵サマなんだか機嫌いいんじゃないのー?あの可愛い子のお陰か?」


「黙れエロゴキブリ。アイツに手ェだしたら、殺す」


「ははは。溺愛ですねぇ」


「言ってろ」


「ほいじゃま、始めるとしますか!」


「悟空がまだのようですけど」


「あー猿は今彼女からお弁当受け取ってるんだわ」


「悟空の彼女さんも大変ですねェ」


「おい。『も』ってなんだ?」


「聡いですねぇ。いやぁ貴方の彼女さんもこんな奴が相手で大変だと想いまして」


「…喧嘩売ってんのか?」


「そんなわけないじゃないですかー。あ、ホラ、悟空も準備できたようですし」


「チッ…」


「ホラホラ拗ねてないで三蔵サマ行こうぜ?」


「わりー!お待たせ!早くやろうぜ!!」


「…こっちも上機嫌だな。毎度の事ながら」


「ははは。さて、お客さんも待っている事ですし、今度こそ行きましょうか」


「おう!」 「だな」 「…ハァ」







































「今日はありがとね?三蔵」


「フン…二度と来るなよ」


「うん!もう満足だよ!!」


「…たまになら、許してやるよ」


「え?!三蔵、如何しちゃったの?今まであんなに反対してたのに…」


「…イヤなのか?」


「ううん!そんな事無い!むしろ…すっごく嬉しい」


「フン」


「えっへへー」


「くっつくな。うっとおしい」


「寒いんだもの(そういいながら振り払わない貴方が好き)」


「…勝手にしろ」


「うへへー」


「…そのだらしない顔を少しは引き締めたらどうなんだ?」


「だってだって、私今凄く幸せな気分なんだもん!」


「そうかよ…」


「うん!」













たまにはいいかもしれない
(お前が目の前にいて、嬉しくないわけない。なんて言える訳がねぇ)


















***
バンド戦士!三蔵一行!

な、訳で会話だけSS。八戒が名前知っているのに『彼女さん』としか言わなくてごめんなさい
そして、誰だか分かりズラくてスンマソ…
ってかあの席で1人って言うのは流石にかわいそうだったので。特別出演in悟空の彼女にしてヒロインの親友
八戒でもよかったけどお弁当の都合上(笑)
私の夢には親友が必ず居ると言うマジック。
補足としては、同棲彼女設定。

それと、密かに、他の面子の設定
悟浄→ドラム
八戒→ギター
悟空→ベース
三蔵→ボーカル

八戒と悟空コノ2人だけ役割を悩みました。うん。どっちでもイケルと思うのは私だけ…?

アレだ。
一回書いたらどんどん浮かんでくるよ!三蔵サマ大好きです!!←