大好きで大好きで。このまま一つになれたらなーなんて思ってみたり。
今コノ瞬間がとっても幸せでずっと一緒に居たいんだよ?三蔵の腕の中は心地よくて眠ってしまいそうなくらい。















彼と彼女の青春ストーリー2















午後。私と三蔵はお昼を食べて私は係りの為名残惜しかったけれど三蔵と別れることになる。どうやら三蔵は私と入れ違いだった悟空と八戒と一緒に行動するらしい。
あっはは。めっさ羨ましい。悟浄はホラ、出し物が出し物だから1日中やるって言って聞かなかったらしいよ。しんでこいエロガッパ。
そんなこんなでメイドとして教室の中で注文とったり運んだり所謂接客業をしていたわけだが、はんぱなく忙しい。
昨日だってこんなに混んだ覚えはございません。ま、一般開放してるからソレのせいなのだが、人が多すぎる。
中にはセクハラしてくる客とか居るのでソレは静かに眠ってもらうとしてやり過ごしますが性質悪い客も居るわけで。
私みたいに自分で撃退できるならいいんですが何せ平均的な一般学生だからね。私が異様過ぎるのよ。ホント。
そりゃあ幼いころから仕込まれていたら強くなるのは当たり前だし?普通の子はそんあ武術などやってないのですよ。
だから私は1番人気のメイドさんにも拘らずコノ店の用心棒なんぞ任せられてしまったのでした。用心棒ってアンタ…。色んな意味で最強なのですよ。

「お帰りなさいませご主人様(棒読み)」

ゴメンね。私の本当のご主人は三蔵だから…なんて言ったらクラスの子に怒られちゃいました。この幸せモノ!ってな感じに。惚気ほど聞くに耐えないものは無いそうです。
そんな女子は今では執事の子とべったりです。うん。惚気って本当に聞くに堪えないんだね。
それより思った以上にマナー違反者は多いようで。いまも犠牲者が続出中であります。ま、ココは一発いっとく?

……。

「ありがとうさん。君のお陰でマナー違反は無くなったよ。いやーやっぱ用心棒を任せて正解だったね!」

先生、それ褒めてるんですよね?あっはは。目の前が滲んでるよ。何これ涙?イヤイヤ鼻水です。
桃源高校の生徒は兎も角、私は近隣の高校まで有名になってしまったようです。悲しきかな。
そんなワケで休憩もらいました。15分と言う短いものです。先生人使い荒すぎ。
では早速三蔵にメールっと。

「終わったのか?」
「ううん、休憩だよー」

アレ?早すぎやしないか?と思ったけど偶々通りかかったみたいです。結構ちょくちょく様子見に来てたことは私は知りません。

「ー似合ってんジャン!」
「悟空も執事似合ってるよ!」

あの癒し系の悟空とは思えないほどのビシっと着こなした執事服姿がかっこよくて。ホント可愛いなーコイツぅ!
あ、なんか隣の金髪野郎がどんどん不機嫌になっていくのは気のせいではあるまい。ごめんってば。
でも三蔵は昨日ホスト姿だったんだよね。モチロンかっこよかったよ。でも気に食わないのはお互い様かな!

「ふふふ…最後の文化祭でのメイド服見れてよかったですねぇ。これで思い残したことはありませんよ僕」
「え?なんか言った?」
「いいえ何も。それより休憩時間は短いんでしょう?」
「そうなんだよ!先生ったら人使い荒すぎて疲れた…」

愚痴を言う私に心底同情するような悟空の瞳がまた痛くて。そういえば悟空も人気だったから結構働いてたよね。うん。お疲れ様。
でもさ、その両手に持った屋台とかの食べ物、少しくれてもいいんでない?あっははは。期待しただけ損だよね。
あ?何くれるの?ありがとー悟空!…げんきんな女とか言ったのは三蔵かしら?

と、そこら辺のベンチに腰掛けているとき事件は起こった。それはそれは不愉快極まりない事でした。
私と三蔵と八戒と悟空。4人仲良く楽しい一時に水を刺したのは、あの女。

「三蔵様!やっと見つけましたわぁ!さぁワタクシと一緒に回りましょう!」

「なっ!」「おや?」「ん?」
「誰だ貴様…」

一瞬見ただけだったけど確かに見覚えがある人でした。そう。午前中にホストクラブで三蔵を指名していたお嬢様学校の子です。
くるくると巻いたパーマが印象的でどちらかと言うと可愛い系。愛らしい大きな瞳には星が見えそうな勢いです。
隣に腰掛ける私を突き飛ばして割って入ってきたその子は巨乳を押し付けるように三蔵の腕に…あぁ胸の大きさなんて関係ないよね!そうだと言ってくれ!
突然の事で無様にも床に転がった私は何故か悲劇のヒロイン体制です。誰かスポットライト持ってきて頂戴よ。
そんな私に見向きもせず先ほどまで私が座っていたと場所に身体を密着させて座ったおんにゃのこはもうデレデレ。…ふざけてやがる。
でも反射的に振り払って立ち上がった三蔵の行動に勇気がわいてきました。よし。よくやった。
それでも尚、追いかけるように立ち上がる女の子はジリジリと詰め寄るように…まるでかえるを目の前に慎重に狙いを定めるヘビの如く三蔵に迫ります。
コラコラ。何やってんのあーたわ。って悟浄居たらそんな事を言うのでしょう。イヤイヤあんなゴキブリは女共の相手を鼻の下伸ばしてやってればいいのよ。

「八戒…を頼んだ」

あろうことか三蔵は八戒に私を任せて走ってきました。え?なんて薄情な…!
そんな三蔵を追いかけに行く女の子は一瞬私を振り返って憎たらしい…妖美な笑みをくれました。さすがお嬢様。恐ろしい。
唖然としていた3人は2人が去っていくのを見つめるだけしか出来なかったのです。三蔵があれほど慌てて逃げるなんて…。

「三蔵は先ほどまで6回、あの子の襲撃にあっているんです」
「そうそう。それがしつこくてさ。何度あの強面で言ってもモノともしないんだぜ?」
「そしてようやく撒けたと思っての所に来たはいいものの…やはり迂闊でしたか」

なんですと。初めて聞かされた真実に私はマヌケにも口をポカンと開けた。え?どんだけしつこいんだあのお嬢様は。
だから逃げることしかできなかったと、そういうわけですか。なんだかまた黒い感情が私の中に芽生えちゃったんですけどどうしてくれんのよ…。

「私…もう休憩時間終わるから行くね。あぁ、気にしないで。また終わったら一緒に帰ろうね。バイバイ」
「え、!ちょっと待ってください!」
「!!」

2人の静止の声もなんか遠い世界の様だ。フラフラと立ち上がった私はそのままクラスに戻ることにしました。
なんだろ…凄く、泣きそうだ。

「兎に角三蔵を助けましょう」
「俺、の所に居るからさ。八戒は悟浄と一緒に探してくれよ」
「そうですね。いくら強いとはいえコレは恋愛とかそういうものですしを放っておくことはできませんね」
「うん。、大丈夫かな…」
「流石に1日でこんな出来事があったんですから、心配です」

それから、私は数時間何をしていただろうか。ただ胸にぽっかりと開いた穴を埋めることさえ出来ずにただただ与えられた仕事をする他無かったんだと思う。
悟空が直ぐに来てくれたけど空笑いしか出来なくて。大丈夫だって言うのにも結構きつかった。
さっきは三蔵が来てくれたけど、今回ばかりは来れないんだよね。分ってるよ。早く、戻ってきて。



再三降り注ぐ奇劇
(えと、私は何しているんだろう)



ATOGAKI
アレ?また崩れちゃったよヒロイン。折角仲直りできたとおもったのにまたですか。お嬢様はすえ恐ろしいですね。名前は幸子です。
これから手紙やらなんやら本題に入っていくわけで在りますが…自分は何をしたいんでしょうね。わかりません←
2部の方が長くなりそうな予感がしてるんですがどうしましょ。