このままナンパ男受け入れてどこかにシケこむのもありだと思う。もうどうでもいいよ。
一応褒めてくれたこの衣装だって今は破きたいもの。全部全部壊れてしまえばいいんだわ。
文化祭準備で浮かれて出来たカップルとか今幸せそうに寄り添う男女とかみんなみんな…どっかの芸人か私は。
今、幸せなカップルは死ね!とか言わないから安心して。思ったより頭は冷静なのよね。人間ってこういうものよ。うん。そうなのよ。
わかってたことじゃないか。三蔵はモテる。付き合う前だっていっぱい告って来てた子とか星の数ほど居たじゃない。
ま、付き合ってからは校内新聞でデカデカと1面を飾ったから三蔵に告るなど命知らずは居なかったけど。でも。
今日は一般参加者も居るわけだし、知らない子は沢山居るわ。
…自分は高を括っていたのかもしれない。みんな知ってるし危険なんて感じていなかったんだ。
安心しきって…まるで馬鹿じゃないか。イヤイヤ散々馬鹿娘って言われてきたけどもさ。ハァ…正直目の当たりにするときついのね。
私も美人とかミス桃源高校とか選ばれてきたけれど、こんな称号なんて役に立ちゃしない。全ては三蔵が決めることなのよ。
こんな私の性格も、こんな私のこの汚い感情も全て受け入れてくれるとは限らない。
…ってかなんか別れるみたいな話様だわ。喧嘩とか何もしてないのに先走りすぎたかも。
私の妄想も大概にしなくちゃどんどんネガティブに持って行くだけになってしまう。
そうよ。三蔵だってアレは仕方なく、だったんだから…何悩んでるの。こんなのわたしじゃない。
今回はたまたま色々な事が重なって鬱になっているだけなんだわ。そうに決まってる。
大体了承する三蔵も三蔵だ。何さイチャコラ密着しちゃってさ!私と言う彼女が居るにも関わらず!なーんか怒りが湧き上がってきた。
相手の子は見た限りこの辺のお嬢様学校の制服だったから…私だったらコロっと行っちゃうかも…。
待て待て!何いっちゃってるのよ!お嬢様が何さ!私は金持ちじゃなくてもお父さまと三蔵が居れば大満足です。
はい。やっとまとまりました私の思考回路。ショート寸前だったね。あ、あの美少女戦士は大好きでしたっ!
彼と彼女の青春ストーリー2
忌々しい。
ただソレだけが俺の脳内を支配していた。なんだってんだ畜生。
大体八戒と悟浄がこんなくだらん事を提案したせいでこの俺までとばっちりを受けたんだ。あの笑顔の男に丸め込まれた自分が1番忌々しい。
隣の女は香水きつ過ぎて俺が吐きそうだ。こんな事になるんだったらさっさとバックレちまった方がよかった。…とな。
このシフトだって態々と入れ違いになるような事をして…八戒は何を企んでやがる?
いや、ただ面白がっているだけだろうな。エロ河童も含めてだ。後でやっぱ殺す。何も関わっていない平和な馬鹿猿も道連れにな。
楽しんでいると言うより僻みだな。俺はそう結論付けることにしてやりたくもない接待なるものをやった。俺は殆ど何もしていないがヘルプの八戒が色々してるから必要ないだろう。
俺が居る必要も無いと思うのは俺だけか…?いや、どす黒いオーラが――。
「オイ三蔵!やべぇって!!」
「何だ」
慌てて走ってきたのは悟浄だ。このくだらん茶番劇の提案者その2で、ちなみにその1は言わずと知れた八戒。
胸糞悪い所にこれまた胸糞悪い奴が来たことにより俺の不機嫌さは一層増す事になったのだが、ソレより悟浄の慌てようが異常だった。
やっちまった、と言うように顔が青い。本当に一体何だってんだ。
「それがよ…今さっきちゃんが来て、」
「何だと?」
まさか。そんな筈は無い。アイツには来るなと散々釘を打ってきたからな。
しかしアイツの性格上――うかつだったか。来るなといわれたら行きたくなるのがアイツだ。しかもソレを生きがいとしているとキタ。半分は冗談のようだが。
予想はしていたがまさかこんな場面を見られたとなると…やべぇな。
俺は早々に立ち上がると駆け出そうとした。駆け出そうとしたのだが――。
「三蔵様もう言ってしまわれるの?幸子悲しいですわ」
今まで接客してた女が裾を掴んできた。殺すぞ。
でも以外に力が強いその女は一向に離す気配がなくあろうことか上目線でにじり寄ってくる。
勘弁してくれ…!(ははは。三蔵ってば本気で引いてますね)(アイツのあんな姿一生拝めねェぜ?)
「貴様にかまっている暇なんざねぇんだよ。とっとと離せ(この糞女)」
最後まで口にしない俺はきっと進歩したんだと思う。アイツと付き合ってからはどうも調子がでねぇ。
あんなに苦労して手に入れたからだろうが、あいつ以外の奴にまで丸くなってしまったなんて…そうはいかん。
尚もグダグダ抜かす女に俺は舌打ちすると思いっきり振り払う。貴様に用は無い。触るなと言いたいところである。
今は兎に角の事が気がかりで。
「八戒。後は知らん。俺は降りる」
「はいはい、わかりました。そんな事より早くを追ってあげてください」
誰のせいでこんな事になったと思っているんだこの男は。まるでこの展開が分っていたかのような口ぶりに憤りを抑えたが実際今はそれどころではないのだ。
早く、あの馬鹿娘の所に行かなくては。
俺は自分でもありえないくらいの慌て様で悪趣味な教室内を出た。何処にいるかなんてかんがえなくてもわかるんだよ、この単純女。
「この浮気モノ。早くハゲろ馬鹿野郎」
「俺はハゲねェ。馬鹿はお前だろ。俺は浮気なんざした覚えがねぇからな」
やはり。昨日も来た場所にアイツは居た。フェンスの手前で膝を抱えるように座った馬鹿娘の姿が其処にあった。
寒くなってきたのにも関わらず防寒具も何も身に付けていないアイツは見るからに寒そうで。
俺の格好も大して変わりないが華奢な身体は見ているだけでもこっちが寒くなりやがる。
屋根も何も無いこの屋上でただ1人、座る背中がとても頼りなくて、いつもと違うの様子に胸が締め付けられる思いに駆られた。
こんなんにしちまったのは間違いなく俺だ。俺以外の何者でもねぇ。そしてこんなにしちまえるのも俺で。
そんなところで独占欲がうずき、心なしか喜びを覚える俺は変態か。のせいで狂っちまったようだ。
「寒くないの?」
「…走ったから熱ぃんだよ」
俺は白のジャケットをの肩に掛けてやると隣に座った。少しばかり驚いて振り返ったの表情がおかしくて。
なんつー顔してんだコノ馬鹿面。
「何、泣いてやがる」
「泣い、てないっもん!」
「これの何処が泣いてないって言うんだよ」
「三蔵が悪い、んだからねっ」
「あぁ…悪かった」
その白く、透き通るような肌をした頬に流れる涙を指でふき取って、俺は謝罪をする。
そんな意外なことを言っただろうか。は俺の言葉を聞くとこれ程ないまでに目を見開いた。
前にも言った覚えがある台詞なのだが。まぁ、滅多に口にしないものだから驚くのにも納得いくけれども、そう素直な反応されると釈然としねぇ。
でも今回は俺が悪いから見逃してやるよ。
「もう浮気しない?」
「あぁ…って、俺は端から浮気なんざしてねぇって言ってんだろうが」
「あんなことしてたら浮気と同じだよ。それにこのジャケット香水臭いし」
「…本当に悪かった」
あぁ。何度謝ればいいのだろうか。こいつには謝っても謝りきれないような気がする。くそ。もうこんなのはこりごりだ。
首を傾げて上目使いのに、はっきり言って欲情したんだがここは押さえろ俺。これでは振出ではないか。
今は、その美味そうな唇を奪うだけで我慢だ。己の犯した罪の報いだと思えばなんのその。
それにしても、上目使いは人によってこうも変わる物なのだと意識したこと無かった俺は改めて思い知った今日この頃。
だからこそ、なんだろう。まぁ知ったところでこれから以外の奴に欲情しないから意味は無いのだが。
青空の下で仲直り
(三蔵の顔見ただけで今まであった感情が全て消えたのだ。恐るべし愛の力?)
ATOGAKI
仲直りです。三蔵サマなれない謝罪(笑)しかも2回も(爆笑)←どうぞ管理人を笑って殴って☆(失笑)
それと三蔵サマの服装説明。上下白のスーツに紫暗の色のYシャツ。以上。まーた某連載と同じような(ry)ガチで好きなんです。はい。
結構ヒロインちゃんの怒りが収まるのは早かったですね。単純なんですよきっと←
それとあのお嬢様学校の令嬢さん、これからのキーポイントになる予定です。かなり出てくると予想。あっははは!手紙とも関係が?!次回に続く。