アレは去年の今頃だった
俺たちはいつものようにたむろって居た時、突然元親が女を連れてきた。当時擦り寄ってくる女はわんさか居た俺は全然興味が無くて、どうせ元親の新しい女だろうと思っていた。そんで何気なく賭けの対象にして、今回はいつまで続くか、なんて言い合っていたんだけど女と元親は揃って『違う』と履き捨てたもんだから驚いた俺達。佐助なんてそうと解ったら真っ先に口説きに行ったぜ。まぁ、見た目はキュートだ。あいつの気持ちもわかるが俺にしてはわけのわからない得体の知れない人物にそうそう近付きたくは無い。人一倍警戒心の強い俺は当然の如く警戒した。そんな俺を見かねてか慶二が来て、どうどう、と宥めて来た。俺は馬じゃねェ。
そんなこんなで女、は自己紹介を適当に済ませ元親の隣(俺の隣でもあるんだが)にすわりイチゴ・オレを飲み始めた。何だコイツ。やけにcoolだぜ。
それからと言うものの俺達のたまり場には1人女が増えた。は毎回元親と来ては元親と帰った行く。ホントに元親の女じゃないって言うのが嘘に思えてきた頃、たまたま元親が隣の学校に果たし状を貰って不在の時、いつもアイツとセットと思っていたが1人で来た。他の野郎も俺と同じ事を思って居たらしく、同時に『珍しいな』と呟いた。そんな好奇の目なんか気にしないではいつもの席、俺の隣に座った。そしてどこからとも無くイチゴ・オレを出しては無言で飲み始める。ま、この雰囲気はもう成れたのでいつものように他愛無い話をしつつ時間を潰した。言っておくがココにいる奴らは成績なんてトップクラスだ。幸村の野郎は1人成績がヤヴァイので授業に出てる(もともとの性格もあってか真面目に出てる)が、はどうなんだろうか。実はすっげぇ成績最悪とかだったらヤバイだろ。俺には関係ないことだが俺達と付き合ってから成績が落ちるなんてなんか嫌じゃねぇか。
でもその心配は無いようだ。その後の事も気になったがたまには授業に出てみようと思い教室に行った。女共の叫び声やらなんやらうるさかったがそれど頃じゃねェ。そして先日の中間テストの順位が貼ってある紙を見たら、なんとの名前が5位に書いてある。と言うことは俺達の次に頭がいいわけだ。なら心配要らない。そう思い、なんか結果を見たらどうでもよくなった俺は教室を後にした。
そんで、たまり場に戻ったらだけがポツリ、と座っていた。置いてかれて寂しい感じ、と言うより誰かを待っているみたいな雰囲気だ。なんだかの背中は元から孤独を背負ってる様な気がしてなんとなく同じ匂いがした。
其処からだろうか。俺がアイツを気になり始めたのは。いや、もっと前からかも知れねぇが今はどうでも言い。兎に角を抱きしめたくて急いだ。もう少しもう少し。後一歩。
「何よ」
「別に…ただ抱き締めたくなっただけだ」
「ふーん」
会話はそれだけ。だけどお互い想いが通じ合った様で唇を重ねた。
は何故1人で居たかと言うとみんなが先にゲーセン行くと言うから待っていたそうだ。コレは何もかもお見通しの佐助の考える事だと瞬時に思った俺は怒りではなく感謝の念が強かった。後で何か奢ってやるか、なんて考えながら今はまだ右手にあるぬくもりを手放さないように絡ませ強く、強く握り締めた。横からなんか聞こえるがこの際シカトだ
同じ匂いがした
(どんな匂いかって?そんなの解るわけねぇだろ!)
***
なつめ様!相互ありがとうございました。そんな貴方様に献上致しまするorz