お前と俺の間に張られた線
上等だ
飛び越えてやろうじゃねぇか
俺には好きな女が『居た』。 イヤ、『居る』で合っている
きっかけは一目惚れだ
相当入れ込んでいていつも声を掛けた
『good moning!』
『see you…』
『hey!いっしょに飯食おうぜ!』
周りの奴らも直ぐ気付く様なアタックの仕方で毎日毎日
だけどは返事してくれるが誘いには乗ってこなかった
それどころか俺を避けてるようにも見れる
どことなく一線を引いている感じだ
一体どうしてだ?
もしかして俺は嫌われてるんじゃないかって想い始めたとき、よくとつるんでる女友達がやってきた
その女は衝撃的な事実を俺に叩き付けた
『は昔、色々あって男が苦手』
『色々って何だ。』
『それは…私も知らないんです』
俺は礼を言って女を見送った
昔の事があるからあいつは俺を避けてるのか
最初に話しかけた時のことを思い返してみれば少しあいつはびくついていた
いきなり話しかけたせいかと思っていたんだがそれは単なる俺の勘違い…
あいつは『男』に対して必要以上の『恐怖』があったんだ
過去に何か、その『何か』が知りたい
そんでそれを無くせられるものならあいつの助けになりたい
俺はにマジで惚れちまったんだからな
覚悟しとけよ
「ねぇ政〜俺様すんごい良い情報仕入れたんだけどさ〜聞きたい?」
昼休みに突然佐助が俺の隣に座って変なことを言い出した
の事で頭がイッパイの俺は当然の如く追い払う
「ha!てめえのくだらねぇ話に付き合ってるヒマはねぇんだよ。馬鹿猿」
「あれれ?そんな事言っちゃっていいのかな〜。ま、俺様には全然関係ない話だからいいけどさ!」
「persistent!!」(しつこい)
なんか意味有り気な話し方で喋ってくる猿。でもいい加減うっとおしくなった
ホントなんなんだコイツ…
そう表情に出ていたらしく佐助は少し真剣な顔になり顔を近づけて言った
「ちゃんの事なんだけどさ」
「っ…!なんだって!?」
佐助の小声に対して大声を張り上げちまった俺は回りなんかお構い無しに続ける
でも「声でかいよ政!」と言う言葉にハッとなった
俺としたことがの事になるとつい…
「兎に角屋上でも行こうか♪」
佐助の気遣いの元、屋上に来た俺達。見た限りまわりに人影は無い
早速問い質した
「政はせっかちなんだからー!…まぁ落ち着いて聞いてよ」
俺はの女友達から聞いた話より、もっと衝撃的な話を聞かされることになった
聞いた後はもう俺の中には怒りしかない。早く、あいつを殺したいと言う感情だけ…
「ちゃんは元彼に暴力振るわれたり、終いには殺されかけたんだって」
ふざけてる
あんな細っこい腕のに毎日暴力だぁ?Ha!笑わせる
「毎日毎日エスカレートしていく DV に、周りの友達やら親は気がついて別れさせたんだとさ」
でも、それを逆恨みした男は最後だけと言って呼び出した。暴力は一切しないから、と
その言葉を信じたは呼び出された場所に行った、が
そこであろうことか男はナイフを突き出しを切りつけた
「結構な重症を負ったは心配して駆けつけた友達に助けられ大丈夫だったんだって」
俺の怒りは頂点に達した
「おい猿。そいつの学校はどこだ?」
放課後、は教室に1人残っていた
今日は日直で日誌を書いていたからだ
相方は元親。あの不良少年?が来るはずも無く、あろうことか帰り際に日直の事なんてすっかり忘れてる元親は
「今日はでかい喧嘩だ」
なんて物騒な事を言いながら教室を出て行ったのは記憶に新しい
別に1人で出来ない仕事ではない
っていうかぶっちゃけ男子と2人っきりにならなくて安心していた
あの事件がきっかけに男とは喋らなくなった
女子高に転校したい所なのだがなんせ貧乏なためそんなお金に余裕が無い
母子家庭のだが母親はのためなら!と言って転校させてくれると言っていた
でもこれ以上迷惑かけたくないので我慢することにしたのだ
コレを期にあのトラウマを打破できないかと思っていた
しかし思った以上に纏わりついてくる記憶に拭えない恐怖
男子が近くに居るだけでも泣きそうになってしまう自分に嫌気が差したのも事実
しかし最近1人、必要以上に話しかけてくる政宗の存在には心を揺らした
毎日挨拶、昼食の誘い
自分は一線を引いていたのに、関わりたくないのに
無意識に避けていたのだがそれでもめげずに話しかけようとする政宗
一度だけ肩に置いた手を想いっきり叩いてしまった事がある
それでも笑って謝って、怒るそぶりを見せなかった
私が悪いのに、と言葉が出ないはそのまま走り去ったのだが次の日、政宗は何事も無かった様にいつもと同じく挨拶してきた
何もいえない自分に腹が立ったがそれ以上に政宗に心引かれているのも事実なのだ
どうすれば?如何すればいい?
「どうしたら私はあの恐怖を忘れられる?」
わからない…
「別に忘れなくてもいいんじゃねぇの?」
独り言を言ったの問いに、突然回答が帰ってきた
その声は後ろのドアから
「だ、伊達…君」
そこには政宗がドアに凭れ掛かりこっちを見ていた
そしてゆっくりとの元に歩み寄る
「あんなちっぽけで、女に手を上げる最低な男なんかぶっ殺しちまえばいいんだよ」
それは悪魔の囁きにも聞こえる
しかし今のにとっては救いの言葉だったのかもしれない
「俺は…お前の事が好きだ。だから、お前のトラウマは俺が消してやる」
その一言には素直に嬉しいと思った
そして政宗の優しさと暖かさに涙を流すのだった
「ありが…とう。伊達く、ん」
数日後、元親はと喋っていた
まずはこの前の日直の仕事の謝罪と、その日の事を報告に
「まーあん時はよー政宗と佐助が急に『でけぇ喧嘩だ。思う存分ぶっ殺していいぞ』なんていうからよ、我慢できなくて…」
頬を赤らめてポリポリと頭を掻きながら言う元親には柔らかく笑って答えた
「日直の仕事忘れて行っちゃったと?流石、長曾我部君だよね。気にしないで。全然楽な仕事だったし」
そうか?なんてハニカミながら元親はの頭を撫でる
そんな時、もうそろそろ来ると思っていた人物が
「hey!元親!!俺の大事なhoneyに手ェ出してんじゃねぇよ!!」
そう言ってを後ろから抱き寄せる政宗
片手は優しく肩をさする。変態っぽいと言うのは言ってはいけない
「随分可愛がられてんだなーは!」
豪快に笑いながらもう1撫でして元親は学食に向かっていった
2人きりなった政宗と
その間にはホンワカラブラブな雰囲気
「今日の弁当はなんだ?」
「うーんとね、から揚げと、ハンバーグと」
「オイオイ栄養考えないと夜へばっちまうぜ?」
「そっかーそうだよね!明日はがんばるから!」
既に付き合っている2人は幸せそうに
「cuteだなは。愛してるぜ?」
「私もだよ!政宗」
僕と君の一線
(お前が引くってんなら俺は何度でも飛び越えてやらぁ!)
***
戦国BASARA現代パロ夢企画様への献上品です!
遅くなりました。そして参加させて頂き誠にありがとうございました!
でかい喧嘩とは、そのヒロインの元彼をぶっ殺しに行ったのでした。(バサラ高校3人VS元彼&不良20人)
元親が止めるまで政宗は殴り続けていたらしい。喧嘩とか強い3人は相手が20人位居てもへっちゃらだった
そんでそれを聞いたヒロインはマジでその男に萎えてトラウマが消えたと言う…笑