モテる男はつらいぜ
相も変わらず憎たらしい伊達男は言う
純情すぴりっと
「お前はオレをなめてんのか?ah?」
「あんた舐めたら孕みそうじゃない。嫌よ、私はまだ学生でいたいの」
「テメェ…意味が違う!っじゃなくて何で授業中にゴミを投げてくるんだ!うっとおしい!!」
「だって暇なんだもの。しょうがないじゃない」
「しょうがなくねぇ!オレは真面目に授業受けてんだよ!」
関係ないもーん
なんていいながら去っていった女はオレの後ろの席だ
だからと言うわけでは無いがあいつは時々こうしてノートの紙1枚を破り捨て投げてくる
憎たらしい事に必ずオレの頭を狙って上手く手元に落ちるように、だ
そんでその紙を開くと『馬鹿』やら『ヒマ』だとか書かれている
非常にウザイ
オレも授業に飽きている時は気まぐれに返事返すが、あいつはあろう事か寝ていることが殆どだ
寝るんだったら投げてくるな!そう怒った事もあったが今ではもうお約束だったりする
そんな今までのやり取りを見ていた同じクラスの猿飛はどこか哀れみの目を向けたまま来た
「あーぁ。政またやってんの?いい加減飽きない?」
「アイツがやってくんだから飽きるも何もねぇよ。つき合わされてる身にもなれ!」
そうは言うものの満更でもなさそうだ、と言う猿飛にイラついたオレはさっさと追いやる。
どいつもこいつもうぜぇと悪態をついた時、不意に隣に居た元親に衝撃的な言葉を貰った。
正直聞きたく無かった
「お前、この前のアレ見られてたぜ。…多分」
なんて事だ。
この前の事、と言うのは沢山有ったが何故か其の時は1つ頭に浮かんできた
「あーぁ。これまたやっちゃったねー政!アレ見られるとは大打撃かも?」
「shit」
猿飛の何処か楽しそうな言葉にも反応できずただ考える
本当に見られている?だとしたらヤバイ。非常にヤバイ。アイツに惚れているオレには本当に大打撃かも知れない
そうしたらオレは何て言い訳をしたらをしたら良いのか。正直に言おうか言わないか。
でも本当は見られていないかもしれないし、聞かれる事も無いかも、だ。
だが元親が言った俺にとっての不安は見事的中した
後ろからいつものようにオレの頭にあたって手元に落ちてくる丸めたれた紙
それを開いた瞬間。きっと誰にでもわかるようにオレは反応しただろう。隣と斜め後ろからプッと言う声が聞こえてきた
多分全てを理解理解したのだろう。憎たらしい事この上ない…!
『この前の女の人、誰?』
まずいまずいまずいぞオレ。
かなりの勢いで冷や汗が吹き出る。其の様子を見て隣の元親はメールを打ちながら一生懸命笑を押さえている。
絶対隣のクラスの前田慶二に状況報告してるな。後でぶっ殺す。決定。
そうじゃなくてだな。オレは今この状況をどう回避しようか考えなくてはいけない。
shit!
『アレはただ言い寄られてただけだ!まったくモテる男はつらいぜ』
苦し紛れで必死にcoolを装い後ろに投げた
床に落ちる音がしたので動揺してる事が斜め後ろの猿飛にはバレバレだろう
『ふーん。満更でもなかった様子を見ると、政宗もplayboyだよねー。モテる男は誰でも良いんでしょ?』
そんな返事が返ってきたからオレはショックで勢いよく振り返ってしまった。
今まで笑ってた男2人はかなり驚いているのかオレを凝視。
そんな視線お構えなしに叫びそうになった。
当の本人は机に突っ伏しいつもの様に寝ている、のか?
兎に角誤解を解こうと自分の机に向きなおし3行書いてある下に書き殴った
『馬鹿野郎!オレにだって本命居るんだぜ?それは、』
そこで手が止まった
だってよ。こんな紙でが好きって言うオレの想いが伝わるわけ無ぇじゃねーか
そして今まで書いた紙を横に置き、新しい紙にシャーペンを走らせた
『オレは意外に純情なんだぜ?』
自分で言うなよって思ったけど、しょうがねェ。そう書いた紙を丁重に折り畳みそっとの机の上に置いた
がそれを開いたかわかんねーけど意を決して後ろを再び振り向いた
其処には少し笑ったの顔と横から覗き見る猿飛の姿が
(突然振り返った政宗は想いもしなかった言葉を言いのけた)
***
最後に言ったのは告白の言葉。何が純情だコノヤロー(おまっ)
伊達さんは本命しか相手にしないと思う。そして手紙じゃなくてちゃんと言葉で言わないと気がすまないモテ男万歳