どう足掻こうがこのオレの前ではただの遊戯でしかないのだから
さぁ 嘆き苦しめ
もっと もっともっとオレを楽しませてくれよ?
どんなダンスを踊ってくれるのか 楽しみでしょうがないんだ
この狂想曲で 狂い狂わせ狂わずには居られないほどに もっと烈しく――…
夜光狂想物語 No.4
― うごめく 闇と私怨の交わる狂想曲 ―
夜、仕事の時間なので一同は仕事場に向かった。店に行くのはボーイが運転する車3台で行く。3台ともそれぞれ違うが高級感が漂うのは皆まで言わず。
ふと、最後尾を走っていた真っ黒に塗り固められた1台のクラウンは先に行く2台とは違うところで曲がった
今日はなにやら社長から直々に召集がかけられたとの事
真っ黒のクラウンに乗った政宗と運転する小十郎は真剣な面持ちで目的地に向かった
「あー今日、政は居ないのかー」
「む?なんだ?何故だ佐助!」
「きっと社長か誰かから召集でもかかったんじゃな〜い?」
「そのようなことを、さきほどはなしておりましたよ」
「そうでござったか!」
「……」
真ん中に走行していた車の中には運転手佐助と幸村、そして今初登場の謙信と小太郎だ。
紺のミニクーパーと言う小さめな車で助席に幸村、後ろの座席に右謙信、左に小太郎と言う風に乗っていた
※車はボーイ各自の趣味です(ぶっちゃけ管理人のだ)
ちなみに先頭は元就が運転のM−U(まーくつー)で特別に緑で塗装された車体は持ち主を表している…
「腹減った」
「貴様は先ほど夕飯を食したばかりだろう」
「フフフ…女将のご飯はおいしかったですよ。と・て・も」
「あぁ!まつねぇちゃんの飯は天下一だからな!」
「オレにはたらねェんだよ…」
「フン。下衆な…」
「いや、関係ないだろ下衆は」
1人怖い人居ますが中々に盛り上がっているといえます。言い切ります
席は助席に元親その後ろに慶二、隣に今回初登場の光秀がのっている
一同は片道15分の道のりを思い思いに過ごしながら向かった
「なぁ、今日は政宗の奴居ないんだろ?」
「あぁ。先ほど社長から直々に連絡が入ったと言っていた」
「うわーあの社長から召集かかったんだね〜そりゃぁご愁傷様だ」
「そう思うのはお前だけだと思うぞ…?」
慶二は社長に前こっぴどく怒鳴られた経験アリ
このホストクラブは少人数なため1人でも欠けたら結構大変だ。なのでその穴埋めはボーイがフォローしながら他のホストに入ってもらう仕組みになっていた
今日政宗の変わりにボーイがホストをやるのだ。一体誰が…
「おはよーございまーす」
「ちぃーっす」
各自好きなように挨拶をして店の裏口から入った。そして真っ先にみんなオーナーの信玄に顔見せに行く
「うむ。今宵は政宗も不在で忙しくなろう。皆、しっかりやるんだぞ!」
「ハイ!親方様ァァァァ!!!」
「幸村ァァァァァ!!」
エ ン ド レ ス
毎度この掛け合いが合図となりみんなは各自準備に取り組む
顔に傷を付けてはイケナイのに殴り合いをする2人はお咎めなし。日常茶飯事なので社長もこの際シカトだ(いいのかよ)
最初の方こそ止めに入っていた佐助だが最近は無視することにしたらしい…何も言わずってか視界にもいれず去っていった
そんな佐助を見越して信玄と幸村は激しくぶつかり合う。店内が危なくなるほどだ。なんとしてでも佐助に止めてほしい2人なのであった。佐助はわかっていても店内がそろそろ危ないので仕方なく止めに入った(流石おかんとか言わない♪)
「はいはい2人とも店が崩れるでしょーが。そろそろ旦那も準備して、ホラ!(こんな大きな子産んだ覚えはありません!)」
「うむ!解ったぞ佐助!(おかん大好き!)」
そう言って佐助と幸村は控え室に向かった。そこで控え室に入った佐助は中に居る人物に驚いた
「今回は就がホストか〜♪」
「ふん。気まぐれだ」
「とかいいつつコイツちょっと楽しみなんだぜ」
「余計なことを口走るな!!」
「似合ってるでござるよ!元就殿!」
「男前だね〜元就さんカッコイイ!(裏声)」
「キショイよ慶…」
「ありゃ?滑った?」
どうやら政宗の変わりは元就らしい
基本はローテンションなのだが今回は気分で元就がホストを買ってでたと言う。一体彼の心境にどんな変化が?
濃い緑色のスーツに腕を通しネクタイを締め元就準備完了。その隣には紫の少々派手なジャケットに身を包む元親。2人ともキマっている
ボーイの光秀と小太郎、佐助は黒のベストとズボン、そして個人の自由な色でいい蝶ネクタイに白いYシャツと言う清潔感と気品差を感じさせる容姿だ
各自支度も整った所だし一同はそれぞれお客様を向かいいれる準備に取り掛かった
一方社長直々に召集が掛かった政宗の方はと言うと大きな屋敷の中に居た。なにやら社長と重要機密な話し合いをしているようで襖の横で小十郎が播をしている
屋敷はものすごくでかく広かった。何百年前から建っているらしく、造りも純和風といったところだ。
「お呼びですか?社長」
「うむ。遅かったではないか竜よ」
「ちいと野暮用があって遅れました」
「まぁよいわ。貴様を呼んだのは他でもない四天王の一つ"TOYOTOMI"なんだが」
「あぁ、あそこなら問題ないでしょう。経営者はそろって馬鹿だ」
「我もそう想っていたんだが近頃不審な動きをしているとの情報が入った。調べてくるがよい」
「Ah?めんどくせぇなオイ。こういうことはオーナーに言えっての。ハァ解りましたよ社長。早々に手を打てばいいんですかね」
「わかっておるならそれでよい。下がれ」
「失礼します」
政宗は久し振りの正座に疲れ早々と部屋を出た。入り口に待っていた小十郎を従え織田家を後にしするのだが…
「あ!もう帰んのかよ!」
「be quiet!餓鬼に構ってるヒマは無いんだよ!」(うるせぇ!)
「へ〜そんなこと言うんだ…信長様に言ってやる」
「…で、何だよ早く用件を言えearly!!」
門の仕切りを跨いだ時丁度現れたのはここの主が溺愛する息子の蘭丸だった
先ほども『丸ぅ!茶を持てぃ!』と言われお茶を運んできたなんともかわいらしい半ズボンの少年だ。中身はドス黒いのだが
蘭丸は満面の笑みで政宗を引きとめ願い事があるらしい
「あのさーちょと連れて行ってほしい所あるんだよねー」
「ハァ…直ぐ終わるんだろうな?丸様よぉ」
「さぁね!」
「shit!こんの糞餓鬼がぁ…」
「嫌々でも行ってくれるんだなー政宗は!」
「あぁ。オレは凄く tender personだからな…」(優しい)
結局は政宗が折れ(というか従わざる得ない)仕方無しに蘭丸を自分の隣の座席に乗せた(小十郎の後ろな)
戻ってBASARA店内 開店約30分前
そこには慌しく動いている従業員がいた。何かの手違いで用意するものなど来て居ないらしい
珍しくオーナー直に指揮をとったり忙しなく動いている。ボーイは業者と電話をしたり店内を駆け回っていた
「どうなってんだ?こりゃ…」
「あれじゃね?元就が珍しいこと言ったからそれの…」
「殺されたいのか?」
「ごめんなさい」
ホストの方も普段ボーイがやることを手伝いながら自分のやることもこなす
こんな事は初めてなので戸惑ってみんな落ち着かない様子だ
一体何が原因でこんな事態に陥ってしまったのか
ここの従業員は少人数制、そして一人ひとりが優秀、だから手違いなどありえないはず
何が起こったのか。それは誰にもわからない
「ねぇ!誰か政に連絡してくれない?」
カウンターの奥で佐助が言った。少々切羽詰った様子で喋りながらも作業しているようだ
それにいち早く反応したのが幸村だった
「拙者が…!」 「旦那はややこしくなりそうだから却下!」 「なっ!!(ショック)」
真っ先に幸村が反応するのはわかっていた佐助。即答
「では わたくしが…」 「謙信さーんこっちちょっと手伝ってくれー!」 「…わかりました(しょぼん)」
優雅なしぐさで携帯を取り出す謙信だが慶二に呼ばれあえなく断念
「仕方あるまい…我が引き受けよう」 「お?今日は本当にどうしたんだ?」 「…(シカト)」
「よろしくー!色々酒とか補充間に合わないって…」
凄くプチコント並みの会話があったが結局政宗に電話するのが元就に決まったらしい。佐助も結局こうなる、とわかっていたのだった
元就は期待通りチャチャを入れる元親を無視し懐から携帯を出した
pululululululu...
「oh...unbelievable!」
「コレが今の状況だよ」
「こんなことなどありえません!」
「実際に今起きている問題だよ。もうそろそろ店の方から電話でも掛かってくるんじゃない?」
「shit!あいつらここまで手を回してきてたとはな…迂闊だったぜ」
一方蘭丸を乗せた車はとある場所に停まりなにやら資料片手に嘆いていた
普段クールで冷静沈着な小十郎でさえも取り乱している様子
蘭丸が行きたいと言った場所は店にも大きく関わって来るとある業者だっだ
どこから情報を入手したのかわからないが蘭丸は今店で起こっているであろうことを全て見抜いて見せたのだ
流石あの社長の息子と言ったところか…侮れない、と政宗は横目に思った
「ま、今回は信長様には黙っておくけど、あと1度でもヘマしてみなよ。速攻クビ飛ぶからね」
「Ha!このオレがそんなヘマはしねぇよ」
「どうだか」
「兎に角業者の人と掛け合わなければ…」
「Let's go」(行こう)小十郎しか行かないけどね!
クビが飛ぶ…それは単なる会社でのリストラとは違う。本当にクビが飛ぶのだ。モチロン介錯は蘭丸だろう
『あはは!ゴミみてぇ!』なんてドス黒くいいながら自分の生首が蹴飛ばされるのを想像して、やりかねないと政宗は身震いした
きっとその状況を社長は『わはは丸よ、中々やるではないか!』なーんて 全身真っ黒なオーラを出しながら見つめているんだろうよ
冗談でも笑えない事に2度目の身震いをしたのであった(嘘じゃないけどな)
「政宗様…業者の方は『今日は休業するから』と、電話が掛かってきたと証言しております」
「ok.どうやらあいつら…今回はただの宣戦布告、或いは警告と言ったところか」
「ははは!マジでゴミだねTOYOTOMIの奴!よりによってココに喧嘩売るとはさ。…プチっと捻り潰してやるよ」
話し合いに行くために行った小十郎が険しい顔をして戻ってきた
しかしそんな小十郎を物ともしない政宗と蘭丸は報告を聞いた時ニヒルに笑うのだ。まるで血に餓えた悪魔のように
それを見た小十郎は背中に悪寒が走った。どうやら最も危険な魔獣を呼び起こしてしまったらしい
これから起こるであろう惨劇に己の血も騒いできたことを感じて…
「coolじゃないねー坊ちゃん様よー。この件はちとオレに任せてくれよ?」
「珍しいねー政宗が乗り気なんてさ」
「あぁ。前にオレの大事なhoneyに手を出しやがったからな…落とし前つけさせてもらうぜ」
手を出したと言ってもデパートの事であっちは結構損な役回りだった気がするのだが、それでも政宗は気に食わなかったらしい
闘争心むき出しのまま政宗は持っていた紙を握りつぶした。グシャリ、と効果音と共に車はゆっくり走り出す
窓の外ではいつもの風景が広がっている。何も知らない人々が思い思いに行き来するその町並みを政宗は嘲笑うかのように今から始まる戦いに胸を高鳴らせて 狂い 狂い
(あいつに手を出したこと後悔させてやるよ。覚悟しておけ変態野郎…)
pulululululu...
ピッ
「…元就か。あぁ。その事だがよ、Ha!そうだこれから……」
「そうであったか…承知した。みなにその概ねを説明しておこう」
まだ物語りは始まったばかりだ 全ては序章に過ぎないのだと 狂想曲は流れる
狂い狂わされ 狂うことを想い 何度も 何度も...
続く
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ATOGAKI
ギャグとシリアスがごっちゃになったなんだかわかり難い話になりました
そろそろってか展開速いですが動き出します。この物語の終焉に導く物語が。
なんかかっこよく言いましたがハッキリ言って何も考えておりません(笑…えねぇ!)
管理人実はこんな展開になるとは思っても居なかったのです!!いいのかコラァァァ!ってかんじ
もっとね、ほのぼのな物語にね…なんでこんなにドロドロなんだコノヤロー
致し方ない。コレが俺達の物語だァァァァ!(アーロンさんキター)
半兵衛達とは良きライバル的にしようかと考えていたのですが急遽話の流れに身を任せて…
これから四天王とか色々動き出す予定です!そしてヒロインはどう絡んでくるのか全くわかりません!
そして絶対最後はハッピーエンドにします!コレは絶対です!
どうせいつものように矛盾たっぷりであっさり終わるんだろう?と想いながら読んでいただければ…(笑)
皆様どうか最後までお付き合い願います_orz
ではでは!ココまで呼んでくださった皆様に感謝と敬意を
photo by 戦場に猫様