私の責任でございます!
あの人に何かあったら腹を切る覚悟でございます
どうか、どうか政宗様…!!
夜光狂想組曲 No.11
― 僕らが見た現実 ―
僕達は綿密に綿密を重ね、あの憎たらしい竜を潰すべく計画を立てた
あの頂点に居座るあいつ等を全員排除して僕達の新の世界を作るのだ
秀吉と2人で2人だけの世界を
それにはまず邪魔な竜からだった
四天王のじじぃ達には興味はない
ただこの街、世界に居座る老いぼれたじじぃ達
悠々と暮らす姿はなんとも滑稽に見える
そんな老い耄れ共は放って置いて強敵、否僕の手にかかれば潰すのは簡単、裏で独眼竜と呼ばれるあの男を僕は真っ先に排除しなければならない
この世界の頂点に居座るあの男を、憎き男を
そもそも何故僕達はあの男を排除しなければならないのかと言うと、新の世界を作るのも理由だが他にもある
僕らは最初、右も左も分からない青二才だった
この世界では到底生きていけないような『弱い』立場。弱者だった
秀吉と共に生きてきた僕達は初めてこの世界に来て、そして互いに励ましあい、強者に立ち向かっていった
そのときは僕らは本当に愚かだった。怖いもの知らずで、愚か者だった
興味本位と言うわけでは無いがこの世界で生き抜くための術を見つけるべくとある組織に足を突っ込んだ
それが全ての始まり
僕達が入る前から独眼竜は有名だった
カリスマ的存在で女共を一瞬のうちに虜にしていくと噂された、頂点に立つ存在
最初は憧れだった
こんな恐怖と混沌の世界でダントツに輝く、まさしく竜のような存在
憧れだったんだ
少しでも近づきたくて、色々な泥仕事をやった
竜の眼に映りたかったんだ。あの射殺すような瞳に。狂ったような竜はホントに素晴らしかった
でも彼は僕に眼もくれず、他の仲間たちとつるんでいった
あの凍てつくような視線、冷酷非道な性格
何もかも、僕らの…憧れ
事件はその時から起こった
とある組織、ヤクザなどが絡む、その世界では最大規模を誇る組織だった
その組織の幹部に僕らは眼をつけられ晴れて仲間入りしたのだが、僕らは最大のミスを犯してしまった
売買を察に見つかってしまった。そしてその仕事の責任者に罪を全て擦り付けられたのだ
僕達はその頃は本当に無力で弱者だった。それを思い知らされた
その後僕らは組織に追われ、一旦この世界から逃げ出した
負け犬の如く、恐怖を味わい、正直二度と踏み入れたくなかった
毎日追われ、毎日恐怖を抱え、時には命を狙われる
そんな日々から逃げ出したかった。でも無理だった
やっぱり僕らは愚かで、弱く、負け犬だ
しかし1ヶ月は経っただろうか、急に組織の連中がぱったり来なくなった
普通に外に出ても見張られてないし、気配さえも見えない
どうしたんだろう。
その答えは朝のニュースで判明した
『昨晩、とある組織の組長等総勢60人が逮捕されました。今回の事件は警察もお手上げ状態だったところ、何者かが密告したと思われ…』
竜だ
そう僕は思った
もちろん密告ではなく彼には邪魔な存在だったから潰したと言う理由だったに違いない
彼の存在は未だに分からず、この事件はひとまず一件落着と言うことで1週間もしない内に世間の頭の中から消えた
そんな程度の組織に追われたと思うと少し悔しかったがでも、僕らの憧れの存在に助けられたと言う喜びが大きかった
僕らは1度足を洗ったと言うか逃げ出した世界にまた足を踏み入れた
そうあの気高き竜に合うために
いきなり感謝を述べても分からないだろうと想い、ただ、密かに役立てれば、竜の為に何か出来れば、と思ったんだ
しかしそんな僕らに降された現実はとても無残なものだった
竜が働くホストクラブに働き始めた僕達はとてもじゃないけれど、無理なものだったのだ
裏で流れる白い粉、それに下っ端の扱いが酷く、雑用と言うより奴隷に近い扱い
絶えられない
でも僕らには竜のためと言う使命があった。だから辛くても耐えられたんだ
そして、ついに竜とコンタクトが取れた、が。
アイツは僕たちを見ると同時にあの凍てつくような、簡単に射殺せるような眼をむけ、こう放った
『Ha!また薄汚ねェ下僕が入ってきたもんだな』
なんとも酷い罵倒を貰ったのだ
その無表情の顔と、汚いものを見る瞳で、僕らがあこがれた眼を向けて
僕らは一瞬で幻滅し、そして、今までの努力を溝川に捨てられた気分だった
失望感が僕らを包み、奈落の底に一気に叩き落された様な、兎に角屈辱的だったんだ
あこがれていた竜はとんでもない奴だった
其処からだと思う。僕らはいつか竜を見返してやろうと決意したのは。
それから僕らは今までの僕らでは無いような力で権力者の称号を手に入れていった
色々な手を使ってその手を真っ黒に染めながら、憎しみを抱えて必死にこの地位を築いてきた
その努力の賜物は『ホストクラブTOYOTOMI』だ
駆け出しの頃は色々な経験を身をもって体験してきた僕ら
それを応用した感じでそして僕らのやり方で四天王さえも魅了して
権力を手に入れる前に竜はとあるホストクラブに移ったと聞いた
それが『ホストクラブBASARA』だ
それからと言うものの竜は汚い部分は捨て、初心に戻ったように綺麗に過ごした
そんな竜にも腹を立てた
でも竜は綺麗でもまたすぐさま頂点に立った
汚い時より、数倍高い地位にたったんだ
彼の実力はまだ底知れないと感じている
僕らはそんな彼を潰そうとしている。僕らの世界を作ってやりたいのだ
竜を蹴落として、世界を作り変えたいんだ
見返してやるのだ。竜にあの憎き竜に
「どうだい?彼はBASARAに入るまでこんな外道な生き方をしていたんだ。酷い男だったよ」
「そんな かこを おもちだったんですね あの たけだけしきりゅうは」
「一体何があったのか知らんが、我らはこれほどにない屈辱を味わった」
とある一室に謙信と共に連れてこられた
数時間が経ち部屋に半兵衛と秀吉が入ってきた
2人の考えは今の話から分かる。を洗脳”ストックホルム症候群”にしようという魂胆だろう。結構見え見えである
もしかして謙信は既に洗脳済みかもしれない
に不安が過ぎる
誘拐された被害者が陥るといわれる症状は、簡単に言うと洗脳され、犯人の話に感化され一緒に犯罪を犯してしまうと言うものだ
ま、はどんな政宗でも好きだから関係ないのだが。
しかし、そう思われただが…
今の状態はどうだろう。振られたばかりのの心理状況は脆いものだ
それを狙ったのだから仕方が無い
でも、それでもは信じている。この話は政宗本人から聞いたわけじゃないし、振られても自分はまだ政宗への恋心を憎しみに変えられる勇気が無い
どんなに罵られようとも、見捨てられようとも、恨む事が出来ないからである
今までの思い出と、部屋を出て行くときの、あの、何か思いつめたような、表情
忘れられない。何か理由があるのではと考えてしまう
こんな自分に嫌気がさしたがココまで来た以上、信じるしかないのだ
邪魔になろうと、何が何でもは政宗が好きで、そして思いを伝えたい
とっても自己満足で、わがままだけれども
それでも、この心は変わらない
好き、なんだ
「あんしんしてください さんは わたくしが せきにんをもって まもります」
「え?」
2人が出て行った部屋で謙信がに耳打ちした
それは敵とは見えない表情と、どこか安心させるような音色で
一体謙信は、どちら側なのか悩ませる存在 故に信じてしまう
そんなお方
「ま、政宗様ァァァ!!」
「An?一体何があった小十郎。騒々しい」
ミーティングが終了して、帰る所だった政宗の元へ慌てた様子の小十郎が駆け込んできた
一旦の様子を見に行ったのである
は政宗に決別の言葉を貰った後、訳も無く小十郎の別宅に住まわせてもらっていた
理由は、色々あるのだが、小十郎自ら言ったと言うのもある
それに何かと安心かと思われたからだ
しかし、小十郎は一体如何したと言うのか。この世の終わりみたいな顔をして
疑問に思った政宗は何か言おうとしたがその前に切羽詰った小十郎に遮られてしまった
「そ、それが、が、攫われたとの事です!!」
小十郎の君主は眉一つ動かさず、言った
「あんな女の事なんてしらねぇよ。どうせ半兵衛の仕業だろ?無駄だって言っておけ」
小十郎は言葉を失った
信じがたきお言葉
(政宗…様?本気で仰られているのですか?それならこの小十郎、)
続く
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ATOGAKI
1回目は我慢する小十郎。次はやっちゃいます。まだ秘密だけど←
今回はTOYOTOMI side を書いてみました
半兵衛たちのこの陰謀の経緯と、やっと政宗たちにを攫われたって事を伝えに…笑
ちょっと楽しくて、半兵衛が最初こんなに弱者だったと言う設定が、楽しく、て!(死ねば良いよ)
ファンの皆様ホントすみませんでした!!_orz
イヤイヤ、こんな半兵衛も良いんではないかと、竜が憧れだったんですね。
この世界では竜にあこがれて入ったと言うのが多かったって言いたかったんですよ!きっと!
ってか伊達さん非道!!なんでこんな伊達さんにしちゃったんだろ!
こういう設定大好きです。暗い暗い。伊達さん怖い怖い←
それと、ストックホルム症候群について
コレは友達から借りた小説に載っていたので、ちょと拝借させて頂きました。アレ?ヒロインの状況ににぴったりじゃね?見たいな笑
そんなこんなで。ホントこの話はハッピーエンドですよ!わすれちゃいそう!なんてな←
では、ココまでありがとうございます。そして激励のお言葉を下さった方、ホントあざーっす!